天海春香
切り札であるターンXを失い、さぞや黒井はキレているだろうと思ったら…案外そうでもなかった。
天海春香
いや、何故か駄神を見て嬉しそうにさえしている…何でだろう?はっきり言ってキモい。
黒井社長
「フハハハ!まさかこんなところで探し物に会えるとは!我が運命、絶好調であーる♪」
矢吹可奈
「ほえ?私?」
黒井社長
「…やはり記憶も力も戻っていないか。ならば今、解放してやる!そら‼︎」
矢吹可奈
「 うぅ……⁉︎や…め……て」
天海春香
突然苦しみ出す駄神。状況が分からない私達は黒井に問い詰める。黒井が語った話によると…
天海春香
実は駄神は神さまじゃなく…その昔、中国や日本で暗躍した大妖怪「九尾の狐」だという。
天海春香
ま、正確には九尾の妖力のカケラらしいけど…なるほど、神さまじゃないなら神通力が使えん訳だ。
天海春香
九尾は正体がバレて討伐された後、殺生石という石になった。石になってなお、毒を放出して
天海春香
いたそうだけど…駄神は毒に耐性があるって設定があるけどこれで納得だわ。そりゃ効かんわ。
天海春香
その後、殺生石はあるお坊さんに打ち砕かれてかけらが全国3ヶ所に飛散するんだけど…
天海春香
でも歴史に埋もれた4ヶ所目に飛散したかけらがあった。そのかけらは地元民に祀られたのだけど…
天海春香
徳川の時代が終わり、明治維新の時に事件が起きた。理由は明治政府による廃仏毀釈だ。
天海春香
この政策を拡大解釈した一部の人間がお坊さんによって砕かれた殺生石も破壊してしまえと暴走。
天海春香
全く…坊主憎けりゃ袈裟まで憎いってこの事ね。ま、結果としては殺生石に僅かなヒビが
天海春香
入るだけだったそうだけど。そのヒビから漏れ出した九尾の妖力が固まって生まれたのが…
矢吹可奈
「うぅ……苦し………た…す……」
天海春香
この駄神だったと。駄神には明治以前の記憶が無いって設定があったけどこれが理由か。
黒井社長
「だが見ての通り、こいつには九尾としての記憶も妖力もない。全くの人畜無害な存在だ」
黒井社長
「天照大神ら日本の神はこいつを【神通力が使えない落ちこぼれの稲荷神】として保護し、」
黒井社長
「そう教え込んだ。いわゆる刷り込みだな。だがいつ九尾として覚醒するか分からないから…」
黒井社長
「常に監視は怠らないようにした。こいつの居候している家の周りに日本の神が多く住んでいる」
黒井社長
「のはそれが理由だ。おかげでオレもなかなか手が出せないでいた」
天海春香
「で、そんな人畜無害な駄神に何をしたの!」
黒井社長
「例え今は記憶や妖力が無くてもこいつが九尾である事に変わりない。ただ眠っているだけなのだ」
黒井社長
「だから無理矢理にでも起こしてやるのさ!オレの使い捨てのコマとする為にな!」
天海春香
「こいつ…そんな簡単に九尾が言う事を聞くのかしら?」
黒井社長
「先程撃ち込んだ術式には覚醒だけでなくオレへの絶対服従も掛けてある。問題は無い」
天海春香
「…随分と用意周到ね」
黒井社長
「ずっと機会を狙っていたからな。まさかノコノコと自分からやって来るとは思わなかったが」
黒井社長
「さて、そろそろかな?おい、九尾!」
矢吹可奈
「うっ…」
矢吹可奈
「うっ…うわぁああぁーー!こんな記憶いらない!こんな力いらない!私はただ志保ちゃんと…」
矢吹可奈
「みんなと楽しく暮らしたいんだー‼︎」\ブワァー‼︎/
天海春香
「くっ…凄まじい妖力だわ。それに頭がクラクラするし…まさか覇王色の覇気まで?」
黒井社長
「ぬ、どういう事だ?記憶も妖力も戻ったはすだぞ?何故以前の記憶…人格がある?」
天海春香
本来なら消えるはずの駄神の人格が残ってる事に不思議がる黒井。こっちに聞かれても知らんがな。
矢吹可奈
「みんなに…迷惑をかける…くらいなら…いっそ…」
黒井社長
「待て!貴様、何をするつもりだ?勝手な事をするな!オレの命令を聞け!」
矢吹可奈
「い…やだ…あんたの…命令な…んて誰が…聞くもん…か…」
黒井社長
「くそっ!こいつめ…」
天海春香
どうやら駄神は黒井の絶対服従の命令を拒んでいるらしい。駄神はやれば出来る子♪
矢吹可奈
「よし、この方法でなら…」
黒井社長
「おい!貴様、本当に何をするつもりだ?今すぐやめろ!」
矢吹可奈
「バイバイ、みんな。楽しかったよ。バイバイ、志保ちゃん。大好きだよ…」
天海春香
そう言うとパタリと倒れる駄神。痛む身体を引きずり駄神へと向かう私達。
天海春香
息はある。でも苦悶の表情をして苦しがっている。これは一体…?
黒井社長
「こいつ、自分で自分を封印するつもりだ。九尾の妖力をフルに使って2度と目覚めないように…」
天海春香
何てこった…そう思った時にどこかで聞き覚えのある声が背後から聞こえた。\やれやれよのぅ/
(台詞数: 50)