北沢志保
…マコトの邪魔はさせないわ…
矢吹可奈
《両手に炎を持ったシホちゃんが、私達の前に立ち塞がる》
北沢志保
カナ…どうしてわかってくれないの?私は貴女の為にやっているのに…
如月千早
シホさん、貴女にとって、カナはとても大事な存在のはず…マコトはそのカナを殺そうとしたのよ!
北沢志保
…!?………嘘よ…マコトは、カナの力を少し借りれば、それで済むと言ったもの…
如月千早
いいえ、本当よ…カナの歌守の民としての魂に刻まれた鍵で魔王の魂…その封印を解く気なのよ!
北沢志保
………………
北沢志保
かまわないわ
矢吹可奈
っ!
如月千早
ほ…本気で言っているの…!?
北沢志保
ええ…歴史をやり直せば、カナが死んだと言う事実も消えて無くなるもの…後には幸せなカナが残る
如月千早
…シホさん…貴女が望むカナの幸せ…それは何?
北沢志保
私が魔王の魂に望む世界…それは、カナが両親に捨てられる事の無かった歴史よ…!
北沢志保
カナは本当の両親と本当の人生を歩み、本当の幸せを手に入れる…それが私の望む世界!ふふ…
北沢志保
ふふふ…あはは…!わかった、カナ…?これは全て貴女の為なのよ…!うふふふ…
矢吹可奈
《揺れて焦点の合わない瞳、口の端は僅かに吊り上がり、半笑いのまま》
矢吹可奈
《前にジュリアさんが言っていた、扱いきれない魔法による肉体的・精神的負担…》
矢吹可奈
《それがシホちゃんの心を本格的に壊し始めているんだ…》
矢吹可奈
…ごめんチハヤちゃん…先に行ってて、私もすぐ追い付くから…
如月千早
カナ…!?
矢吹可奈
…お願い
矢吹可奈
《真剣な眼差しでチハヤちゃんを見れば、私の決意を理解してくれたのか、静かに頷く》
如月千早
…わかったわ…でも、無理はしないで…!前にも言ったけど、自分を大事にして、カナ!
矢吹可奈
《チヅルさんの指示でマーメイド隊が一斉に牽制の水魔法を放ち、その隙に脇をすり抜ける》
北沢志保
行かせない…!
矢吹可奈
シホちゃん!
北沢志保
!
矢吹可奈
《光魔法で指先を精一杯光らせ、シホちゃんの注意を引く》
矢吹可奈
シホちゃんの相手は………私だよ!
北沢志保
!?…カ…カナが…私と…戦う…?
矢吹可奈
《シホちゃんの表情に、明らかな困惑が浮かぶ…まだ、躊躇う心が残ってるんだ》
矢吹可奈
《…戻れる。シホちゃんはまだ戻って来られる。なら、私が連れ戻してあげないと!》
北沢志保
…自分が何を言ってるかわかってるの?カナが私に勝てるはずがないじゃない!
北沢志保
ば、馬鹿も休み休み言いなさい…!
矢吹可奈
旅に出る前の私と同じだと思わないで
矢吹可奈
…シホちゃん、私…旅に出て色んな物を見て、色んな人に会ったよ…考える事もたくさんあった
矢吹可奈
だから…そうして培った私の色んな想い…シホちゃんにぶつけるから…!
北沢志保
………………
北沢志保
(カナがどんな経験をしても、私に…今の私に勝てるはずがないわ…)
北沢志保
(そうよ…今の私には力がある…!カナを護る為の力が…!…カナを…護る為…?)
北沢志保
(…あれ…?じゃあ、私は…その力を誰に向けようとしているの…?)
北沢志保
(カナ…カナは私の大事な存在…目の前にいるのも…カナ…?)
矢吹可奈
行くよっ!シホちゃん!
北沢志保
っ!!フ、フレアバレット!!
矢吹可奈
熱っ…!
矢吹可奈
《呆然とした表情を見せたシホちゃんに、拳を握り込んで駆け寄ろうとするが》
矢吹可奈
《すぐさまシホちゃんが放った炎魔法が、私の腕を掠めて行った》
北沢志保
ぁ………!カ…カナ…
矢吹可奈
…まだまだだよシホちゃん…私はまだ…折れない…諦めない…!シホちゃんを取り戻すまで…!
矢吹可奈
何度だって…立ち上がるから!!
(台詞数: 50)