如月千早
《道中、道を切り開く為に、仲間達が次々に敵との戦闘に突入し、私を進ませた》
如月千早
《そして、ノリィさん達巫女の方々や母様も侵入者の排除を試みる敵と交戦状態に入った》
如月千早
…!この感覚…この部屋ね!
如月千早
《彼女達に背を押され辿り着いた部屋の中からは、身震いのする闇の魔力を感じる》
菊地真
やあ、君は確か、キャスパリグでカナと一緒にいた…人間ではないね…何者かな?
如月千早
《部屋に入ると、黒い翼を広げた悪魔が笑いかけて来る》
如月千早
…私はチハヤ…イリシュ海マーメイド族長チヅルの娘、チハヤ!貴女の野望を砕きに来たのよ!
菊地真
チヅルの娘…なるほど、君が現代で唯一のバンシィボイスを持つ者か…ふふ、残念だね
菊地真
もっと早く会えていれば、その声で人間を片端から自滅させられたんだけど…もう必要ないんだ
矢吹可奈
チハヤちゃん!
如月千早
《マコトが不敵な笑みを浮かべるのと、カナが部屋に飛び込んで来たのは同時だった》
菊地真
やあやあ、カナまで来たのかい?わざわざご苦労な事だね…世界の変革に立ち会いに来るなんて
矢吹可奈
…!こ…これ…まさか!
菊地真
ふふふ…今回の人間と魔族の連合は、正直予想外だったよ…どうも人間を侮るのがボクの癖らしい
菊地真
が、悪い事ばかりでもなかったよ…なにしろ、この大戦のおかげで…
菊地真
残り僅かだった魂の収集が完了したのだから
如月千早
っ!
菊地真
見るが良い、ここに集った1000万の魂に内包された魔力…そして魂が元来持つ意志の力…
菊地真
それらが相乗、増幅し生まれた膨大なエネルギーが次元の境界を破壊し…解放される…魔王の魂が!
如月千早
《この部屋に入った時から感じていた胸騒ぎ…その正体がマコトの言葉でようやくわかる》
矢吹可奈
次元の…歪み…!
如月千早
《そう、部屋のあちらこちらが、揺らいで見える…いや、実際に揺らいでいるのだろう》
如月千早
《1000万と言う膨大な魂が共鳴し合い、何もしなくとも次元が歪んでいるのだ》
菊地真
あとは、これらの魂を一斉に起爆し、そのエネルギーを開放するだけさ
菊地真
君達には止められないさ…脆弱な人間と、人を殺すだけの生物兵器の末裔…マーメイド程度ではね
菊地真
それともボクに挑むかい?錬金魔族とは違う…魔族の始祖にして純血魔族たるデーモンに?
如月千早
《確かに、純粋な魔力で言えば、私ではマコトに傷1つ付けられないだろう》
菊地真
ふふっ、力の差はわかっているようだね…では、そこで見学していると良い…魔王の魂解放の儀をね
矢吹可奈
…チハヤちゃん
如月千早
《カナが私の手を握り、頷く…今がその時だ、と。私も頷き返し…幼い記憶の中から歌を紡ぎ出す》
如月千早
「♪…風は天を翔けてく…光は地を照らしてく」
菊地真
…?どう言うつもりだ?まさかバンシィボイスでボクの精神にダメージを与える腹積もりかい?
如月千早
「♪人は夢を抱く…そう名付けた物語…」
菊地真
ふっ、だが、バンシィボイスは人間にしか効力が無い…そもそも歌守の民たるカナがいる時点で
菊地真
あらゆる音からは魔力が…………!?
如月千早
「♪………arcadia………」
矢吹可奈
(不思議…私はこの歌を…知らないのに知ってる…頭の中に浮かんで来る!)
矢吹可奈
「♪始まりはどんなに小さくたって…いつか嵐に変われるだろう」
菊地真
な…なんだ…!?次元が…次元の乱れが大きく…いや、集束して行くのか…!?
菊地真
馬鹿な…まだ儀式は行っていないのに…!何が起きている!?何をしている!?
如月千早
「♪飛べ海よりも激しく…山よりも高々く」
矢吹可奈
「♪今、私は風になる…夢の果てまで」
菊地真
なんだ…なんなんだその歌は…!?
矢吹可奈
「♪…目指す…」
如月千早
「♪arcadia」…縛られし魂達…在るべき場所へ往きなさい!!
如月千早
《次元の乱れが一ヶ所に集束し、次元に小さな穴が開き、魂達がそこに吸い込まれて行く》
菊地真
なっ…あ…………何が…起きた…?
菊地真
何が…何が起きたんだ…!?お前達は何をしたんだ!?
如月千早
《1000万の魂全てが穴に吸い込まれ、その穴も消えると、マコトが信じ難いと言う顔で呟く》
如月千早
《…自身の計画が水泡に帰した事を…信じられないと言うように…》
(台詞数: 50)