北沢志保
《…どうしてこんな事になってしまったのだろう…》
北沢志保
《悪魔の囁きに負け、道を踏み外したのは私だ…罰を受けるなら、私が受けるべきなのに…》
矢吹可奈
ぅ…げほっげほっ…!こふっ…!…かっ…は………はぁ…はぁ…
北沢志保
《どうして…どうしてカナがこんなにも苦しまなければならないのだろう》
北沢志保
《…私はカナの背中に刺さった剣を抜き、服の裾を破いて止血に使い》
北沢志保
《治癒魔法によって傷を塞ごうと魔法をかけ続ける…だが…》
北沢志保
…なんでよ…どうして治らないの…?どうして塞がらないのよ…!
北沢志保
《…本当はその理由もわかっている。治癒魔法は、自身の魔力を相手に流し込み…》
北沢志保
《対象の生命力や再生力を刺激して増幅、活性化させて傷を治す物だ》
北沢志保
《つまり、治癒魔法が効かないと言う事は…すでに対象の生命力が尽きかけていると言う事だ…》
如月千早
カナ!気をしっかり持って!
如月千早
一緒に歌うんでしょ!?歌ってくれるんでしょ…!?…約束したじゃない!
如月千早
だから…死なないで!お願いだから…カナ…カナ…!
矢吹可奈
げほっ…!けふっ………うん…げほっ…やくそく…だよね……げふっ…!ごめんね…チハヤちゃん…
矢吹可奈
やくそく…やぶっちゃって…ごほっごほっ!
北沢志保
《言葉を紡ぐ度に口からは赤黒い血が吹き出し、その顔は見る見る血の気を失って行く》
如月千早
もういい…もういいから…謝らなくて良いから!謝る必要なんか無いでしょ!?
矢吹可奈
…シホ…ちゃん…
北沢志保
喋らないでカナ!それ以上は喋っちゃ駄目よ…!帰ったら聞いてあげるから!
矢吹可奈
げほっげほっ…!…あのね…わたし…シホちゃんが…ごほっ…!…きてくれて…うれしかった…よ…
北沢志保
《カナは私の制止など無視して、血と言葉を吐き続ける…まるで…》
北沢志保
《今伝えなければ、二度と伝えられないかのように…》
矢吹可奈
シホちゃんが…シホちゃんに…げふっ!…もどって…くれたのも…うれしかった…ごふっ…!でも…
北沢志保
やめて…もうやめて…!聞きたくない!もう喋らないで…お願いだから…!
矢吹可奈
シホちゃんと…あえたのが…げほっ……わたしの…いちばんの…しあわせ…なんだよ…げふっ…ぅ…
矢吹可奈
…わたしの…おかあさんで………ありがとう…
北沢志保
…!!!…カ…カナ……カナ…
北沢志保
《私は思わずカナに手を伸ばし、カナも力無く腕を上げて私の手に触れようとする》
北沢志保
《そして…触れる寸前でカナの腕は音を立てて地面に落ちる》
北沢志保
…カナ…?
矢吹可奈
…………………………
如月千早
カナ…?カナ…!?
矢吹可奈
…………………………
北沢志保
《…もう…カナの口からはなんの言葉も…苦しそうな息遣いすらも…聞こえない》
北沢志保
…カ………ナ……………あ……あ……ぁ…!
北沢志保
…嫌あぁぁぁーーーーーーっっっっっ!!!!!カナぁぁぁーーーーーーーっっっっっ!!!!!!
(台詞数: 36)