北沢志保
カナ!チハヤさん!こっちへ!
矢吹可奈
シホちゃん!
如月千早
シホさん!
如月千早
《壁に空いた穴の奥から炎を伴って現れたのは、シホさんだった》
如月千早
《その瞳にもはや濁りは無く、憑き物が落ちたようにまっすぐにカナを見つめている》
矢吹可奈
シホちゃん…その力は危ないからもう使わないでって…
北沢志保
今はそんな事を言ってる場合じゃない!さあ、早く!
如月千早
《踵を返し走り出すシホさんの後に続き、私とカナも崩落を始めた城塞内をひたすら走る》
矢吹可奈
シホちゃん、どうして私達のいる所がわかったの?
北沢志保
貴女達がマコトを止める為に行ったのなら、目的地は間違いなくあの祭壇…
北沢志保
そして、祭壇に続くルートは最終的には2つに絞られるわ…要するに2分の1の当たりだっただけよ
如月千早
その2分の1からカナのいる方を引き当てたんだから、大したものだわ…外れも2分の1なんだから
矢吹可奈
…うん…シホちゃん、ありがとう!
北沢志保
………早く脱出しましょう、恐らくあとは2人だけだから
如月千早
《道中、シホさんが空けたらしい壁の穴をいくつも通り、いよいよ外が見えて来た》
矢吹可奈
ふう…ふう…はあぁぁぁ~…な、なんとか…出れたね…けほっ…
如月千早
はあ…はあ…ここは…
北沢志保
ふう…ふう………城塞の東側…ここから中に入ったのよ
如月千早
《辺りには様々な武器が散乱し、ここも先ほどまで戦場だった事が窺える》
北沢志保
…マコトは………自決したのね…
如月千早
…ええ…城塞の魔力炉を破壊してね…
如月千早
《あちこちから炎が噴き上げ始めた城塞を見つめ、シホさんが目を閉じる》
北沢志保
…さようなら、マコト…貴女に良い思い出は無いけど…安らかにね…
矢吹可奈
マコトさん…
如月千早
…そう言えば…ずいぶんと静かね…戦闘は終わったのかしら?
北沢志保
ええ。城塞から爆音と火の手が上がった時点で、敗北を悟ったアルカディアシーカーは降伏したわ
矢吹可奈
…そっか…戦争は…終わったんだね…私達…生き残ったんだ…
矢吹可奈
…シホちゃん!チハヤちゃん!
北沢志保
!
如月千早
きゃっ…!?カ、カナ!?
如月千早
《カナが私とシホさんの肩に両腕を回し、ギュッと抱き締める》
矢吹可奈
マコトさんを助けられなかったのは残念だったけど…私達…未来を勝ち取れたんだよね…!
矢吹可奈
私達…明日も明後日も…ずっとずっと先も友達でいられるんだよね!?
北沢志保
………ええ…そうね…うん…!
如月千早
…そう…そうね…人間も魔族も仲良く暮らせる世界を…勝ち取ったんだわ…!
如月千早
《私とシホさんを抱き締めながら、感極まったように泣き笑いを浮かべるカナ》
矢吹可奈
私達…私達はずっと…!
如月千早
《その時、城塞が最後の断末魔のように大爆発を起こし、爆風と残骸が私達の近くにまで届いた》
北沢志保
うっ…!…ここは危ないわね…離れた方が良さそうね、カナ
北沢志保
…カナ…?
如月千早
《突然カナの力が抜け、私とシホさんにもたれ掛かる形になる》
如月千早
カナ…?どうしたのカナ!カ………!!!
如月千早
《カナに呼び掛けようとその身体を見て、私の思考は停止し…状況の理解が追い付かなくなる》
矢吹可奈
………こふっ…
如月千早
《カナの口から赤い液体が吐き出され、カナはその場にうつ伏せで倒れ込む》
如月千早
《そして、ここに到ってようやく頭が目の前の事態を理解した》
如月千早
《爆風で吹き飛ばされた剣の破片が…カナの背中に深々と突き刺さっていると言う現実を…》
(台詞数: 47)