如月千早
《私は、突然流れ込んで来た膨大な闇の魔力に危うく意識を飲まれそうになった》
如月千早
《しかし、カナから送られた暖かな光が心の中に灯り、私の意識を繋ぎ止めた》
如月千早
《そして、この闇の魔力に、巫女様達から預かった宝珠の魔力全てを乗せマコトへぶつける》
菊地真
ぐっ…くぅぅ…!馬鹿な…馬鹿な…!巫女と言えど、たかが人間の魔力ごときで…このボクが…!
如月千早
《マコトの魔力と私の魔力が激突し、一歩も引かない拮抗状態となる》
如月千早
…人間を不要な物と断じて、その存在を抹消した世界を作る…それぎ貴女の理想なら…
矢吹可奈
人間も魔族も関係なく手を取り合える…
如月千早
そんな暖かい世界が私の…私達の理想よ!負けられない…絶対に負けるわけにはいかない!!
如月千早
私達の理想(ユメ)で…貴女の理想(エゴ)を砕くわ!!マコト!!!
如月千早
《私自身の魔力も全て注ぎ込み、最後の一押しを叩き込む》
如月千早
これが…私達の信じる…理想の全てよ!!!アルカディア…レイ!!!!!
如月千早
《強大な闇を中心に、水、炎、風、地、氷、そしてカナの光が螺旋を描きマコトの魔力を押し返す》
菊地真
ぐっ…うう…!!!魔力…の…逆…りゅ…がっ…あああぁぁぁぁぁーーーーーっっっ!!!!!!
如月千早
《完全に押し返されたマコトは、強大な魔力の奔流に押し出され、壁に身体をめり込ませる》
菊地真
が…はっ…!…………げふっ…!…くそ………負けた…負けたのか…ボクが…ごほっ…!
菊地真
何百年とかけた計画が…たった1日で潰えたのか…くそっ…くそっ…!ちくしょう…!
矢吹可奈
…マコトさん…
如月千早
《全身から魔力が抜けて行き、息も絶え絶えとなったマコトは、立ち上がる事も出来ない》
如月千早
…!?カナ!?駄目よカナ!!
如月千早
《突然カナが、マコトへ駆け寄る。まだ人間1人を殺める程度の力はあるかもしれないのに…!》
矢吹可奈
マコトさん!もうやめましょう…!降参してください!
菊地真
…………ふふっ…甘い…甘いなぁカナ…君は本当に…!
如月千早
《念力の類いか、マコトがカナに右手をかざすと、カナの身体が宙に浮かび上がる》
菊地真
…チハヤ、ほら…
矢吹可奈
わわわわわ…!?
如月千早
《そして、そのままカナを私に向かって投げ付けて来た》
菊地真
その娘の手綱はしっかり握っておくんだね…その甘さはいずれ命取りになるかもしれないからね…
如月千早
…今…貴女はカナを殺す事も出来たんじゃないの…?マコト…?
菊地真
…敗者が勝者に爪を立てるなど、ボクの矜持が許さない…ああ、そうさ…君達は勝ったんだよ
菊地真
君達の理想が、ボクの理想を上回ったんだ…なら…今度は理想を実現して見せろ………ふっ…!
如月千早
《マコトがが、自分の足下へ魔力の塊を放ち、それは床を突き抜けて下層へ落ちて行く》
如月千早
《そして、間もなく地響きが起き始める》
菊地真
この城塞の動力を賄う魔力炉に、ボクの残りの魔力全てを送った…間もなく過負荷で爆発する
菊地真
生きたければさっさと逃げる事だ…生きて理想を実現したいならね…
菊地真
ボクは誇り高きデーモン族…人間の手には掛からない…!己の生涯は己で幕を閉じる…!
菊地真
せいぜい生きあがくが良い…脆弱なる勝利者達…!ふふ…ふふふ…あはははははは…!!!
如月千早
《次の瞬間、真下から噴き上げた炎の中にマコトは消えた…まるで勝者のような高笑いを残して…》
矢吹可奈
マコトさん…
如月千早
…脱出しましょう、カナ…ここも危ないわ
如月千早
《私自身もマコトの最期に呆然としつつも、カナに脱出を促し、その背中を押す》
如月千早
《次第に地響きが大きくなり、爆発音も聞こえる城塞内を、2人で走る》
如月千早
《辺りには武器が散乱しているが、兵士の姿は見当たらない。すでに脱出したらしい》
矢吹可奈
…!ここ…瓦礫で塞がれてる…!ど、どうしよう…
如月千早
《カナの記憶を頼りに脱出しようとするが、崩落した天井で道が塞がれている》
矢吹可奈
…?チハヤちゃん…今私を呼んだ?
如月千早
え…?いえ、呼んでないけれど…
如月千早
《私がそう答えた次の瞬間、壁を突き破って炎が噴き出した》
如月千早
《しかし、その炎はすぐに引っ込み、その奥から人影が姿を現した》
(台詞数: 48)