アリとキリギリス
BGM
TOWN_RMX
脚本家
ハルラン
投稿日時
2018-03-17 17:59:10

脚本家コメント
語り部:高槻かすみ
なお語ってはいますが、かすみは言葉の意味はあまりよくわかっていません

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高槻かすみ
昔々、あるところにアリとキリギリスがいました
高槻かすみ
働き者のアリは名前をやよいお姉ちゃ…やよいと言い、弟や妹達の為に毎日一生懸命働いていました
高槻かすみ
一方怠け者のキリギリスは名前を翼さ…翼と言い、自由気ままに毎日毎日遊んでいました
高槻かすみ
ある夏の日、翼は忙しなく食べ物を運ぶやよい達働きアリを見かけたので話しかけました
伊吹翼
「ねぇねぇ、やよいちゃんなんでそんなに働いてるの?」
高槻やよい
「次の冬に備えて弟たちみんなの食べ物を集めてるんだよ。翼ちゃんはもう集め終わったの?」
伊吹翼
「私はそんなつまんないことしないよー。冬の事はその時考える。今をハッピーに生きないと!」
高槻やよい
「えぇー!冬になったら食べ物なくなっちゃうよ!?翼ちゃん後でお腹がぐーって減っちゃうよ…」
高槻かすみ
ですが翼は食べ物を集める事はなく、やよい達が働いてる間、歌やダンスをして遊んでいました
高槻かすみ
その結果、季節は秋、冬へと変わっていくとやよいの忠告通り
伊吹翼
「うぅ…寒い…お腹減ったー…」
高槻かすみ
翼は飢えと寒さで苦しんでしまいました
高槻かすみ
食べ物が見つからない翼はたまらずやよいの家へと駆け込みます
伊吹翼
「やよいちゃんお願ーい!食べ物分けてー!このままだと背中とお腹がくっついちゃうよー!」
高槻やよい
「うーん…分けてあげたいんだけど、こっちも弟たちがいるから…どうしよ…」
高槻かすみ
難色を示すやよい。優しいからあっさり貰えると思っていた翼に焦りが見えはじめました
高槻かすみ
食べ物を求めて歩き回った翼のお腹は限界に近づいています
高槻かすみ
せめて少し…他の食いぶちに辿りつくまでの繋ぎの分だけでも…そんな執念に翼が取り憑かれた時
高槻かすみ
翼の頭に1つの策が浮かんできました
伊吹翼
「じゃあこうしよう!やよいちゃんと私でジャンケンをするの!」
伊吹翼
「もし私が負けたら冬はずっと家事手伝いする。その代わり勝ったら食べ物を分けて!…ダメぇ?」
高槻やよい
「うー…でも食べ物は弟たちの分もあるから勝手に渡すのは…」
高槻かすみ
「いいじゃんお姉ちゃん!面白そうだし勝負しようよ!!」
高槻かすみ
突然家の中から声が聞こえました。声の主はやよいの弟たちです
高槻かすみ
やよいの友達が家に来ることは珍しかったので弟たちは大喜び。かなりテンションが上がってました
高槻かすみ
私もあの時はちょっと緊張したけど嬉しかったな…えへへっ♪
高槻かすみ
「お客さん来てくれたのにただで帰すのはよくないんじゃない?」
高槻かすみ
「キャッキャッ♪」
高槻かすみ
「お姉ちゃん、せっかくだし勝負してあげなよ!」
高槻かすみ
「お姉ちゃん、鼻水拭いてー」
高槻やよい
「みんな…うっうー!じゃあ翼、ジャンケン勝負しよっか!」
伊吹翼
「よし決まり〜!一発勝負ね♪」
高槻かすみ
お気付きの方も多いと思いますが、これが翼の策です
高槻かすみ
翼の特技はジャンケン。勝率は驚異的なもので、翼がジャンケンで負けた所を見た人はいないとか
高槻かすみ
その自分の特技を利用して食糧を楽に手に入れようというのが翼の策です
高槻かすみ
懸念材料はやよいが勝負に乗るかどうかでしたが、運良く弟達のフォローで解決できました
高槻やよい
「よーし、負けないぞー!」
伊吹翼
「じゃあいくよ!ジャンケンポン!!」
高槻かすみ
しかしここで一つの誤算が。翼はやよいの実力を見誤っていました
高槻かすみ
働きアリやよい。彼女はセール品などお得に関する物事にストイックに、全力で取り組んできました
高槻かすみ
常に生活費の事を考え、荒れ狂う特売品売り場に身を置く。そんな日々にやよいは適応していき
高槻かすみ
結果、やよいはお得が物事に絡む時に限り自身のスペックを飛躍的に高める事を可能にしました
高槻かすみ
今回は労働力をお得に勝ち取る事のできる勝負の場。必然、やよいのスペックは最高潮に高まります
高槻かすみ
極まった五感が翼の微細な動きすら感知し、フル回転した脳が得た情報を高度に処理
高槻かすみ
この時のやよいは動きの先読みができるようになっていました。流石の翼でも勝ち目はありません
高槻やよい
「うっうー、勝ちましたー!!」
伊吹翼
「う、嘘でしょー!?」
高槻かすみ
食糧とジャンケン敵無しという自信を同時に失った翼
高槻かすみ
まさかの返り討ちにただただ呆然と立ち尽くすことしかできませんでした
高槻かすみ
その後翼はキチンと働いてくれたので家族の相談の結果、食糧を分けてくれることになりましたとさ

(台詞数: 50)