七尾百合子
─2018年3月19日11時59分─
七尾百合子
『…グリマスが終わるまで後一分、か…』
七尾百合子
『ミリオン自体はまだ続くけど、寂しい物は寂しいよなぁ…』
七尾百合子
『折角有給も取ったんだ、せめて最期の瞬間までマイユニットを見届けてやろう…』
七尾百合子
『12時か、更新したらこの画面も消える…』
七尾百合子
これからはミリシタで会おうな、百合子、杏奈、美奈子…
七尾百合子
あれ?なんか周りの景色が違う…家じゃないぞここ!
七尾百合子
それになんか体が妙に軽いし…声もだ!これじゃ女の子の声…
七尾百合子
えっ?まさか俺グリマスの世界に転移したとか…?いや、そんななろう小説じゃあるまいし…
七尾百合子
でも、この体、見ても触っても女の子そのもの…えーっと、鏡、鏡…
七尾百合子
この顔…どう見ても百合子だな…えっ?夢とかじゃなくて?
七尾百合子
いてててて…ちゃんと感覚もある…完全に、俺が百合子になってるぞ…
七尾百合子
ど、どうしろってんだよ…Pになるならまだしも百合子に転生しても困るだろ…
望月杏奈
百合子…さん…鏡の前で…何してるの…?
七尾百合子
あ、あああ杏奈っ…ちゃん…!えーっと、ちょっと異世界に転生してないか確かめてて…
望月杏奈
そう…また、ラノベか何かに…影響されたんだね…
望月杏奈
そうだ…百合子さん…新しいゲーム買ってきたけど…一緒に遊ぶ…?
七尾百合子
ちょ、ちょっと今日は用事があるから…また今度でいいかな?
望月杏奈
そう…それじゃあ…またね…
七尾百合子
(この体が百合子で助かったな…多少妙な言動も妄想って事で流してもらえるし…)
七尾百合子
(まずは現状の確認だな、ゲームのようなぶつ切りの世界なのか完全な異世界なのか確かめないと)
七尾百合子
(百合子の家や家族、学校は存在するのか、存在するならどう過ごすべきか…)
七尾百合子
(俺に百合子としての能力があるのか、無いならどうごまかしてアイドルを続けるか…)
七尾百合子
(そして何より百合子にこの体を返して元の世界に戻れるのか…)
七尾百合子
(もしも戻る手段が無いなら、せめて俺が七尾百合子をトップアイドルにしてやらないと…)
佐竹美奈子
百合子ちゃん!杏奈ちゃん!ゴマ団子作って来たよ!いっぱい食べて大きくなってね!
望月杏奈
うん…ありがとう…美奈子さん…
七尾百合子
私は…さっきお昼食べちゃったんで遠慮しときますね…
佐竹美奈子
そう?それなら今度また作ってくるからね…
七尾百合子
(この体の代謝もまだわからんしな、ブクブク太ったりしたら百合子に申し訳が立たないし…)
七尾百合子
そ、それじゃあちょっと家に用事があるから早めに帰るね!
佐竹美奈子
そう、気をつけてね百合子ちゃん…
七尾百合子
(ふぅ、どうにかバレずに済んだか…さて、何から手をつけるべきか…)
佐竹美奈子
百合子ちゃん、何か変だったね、悪い物でも食べたのかなぁ…
望月杏奈
いつもの…妄想…じゃないかな…?
佐竹美奈子
そんな物かなぁ…あっ!ゴマ団子、百合子ちゃんの分も食べていいからね!
望月杏奈
うん…ありがとう…美奈子さん…
望月杏奈
(ふふふ…百合子も美奈子も俺が杏奈じゃない事に気付いてないようだな…)
望月杏奈
(折角グリマスの世界に転生したんだ!杏奈ハーレムを作ってイチャイチャしまくってやるぜ!)
佐竹美奈子
ふふふ、美味しそうに食べてるなぁ…
佐竹美奈子
(くくく…流石のあんゆりも俺が異世界のPだったなんて思いもよらないようだな…)
佐竹美奈子
(よりにもよって俺に美奈子の体と料理スキルを与えるとは神様も粋な事をしやがる…)
佐竹美奈子
(俺と美奈子の料理スキルを駆使して765プロを俺好みのおデブタレント事務所にしてやるぜ!)
七尾百合子
─かくして、自分以外の49人を全員アイドルだと思い込んでいる男たちの物語が始まる…!
(台詞数: 44)