アイドルマスター 第3話
BGM
キミがいて夢になる
脚本家
ちゃん@春の日
投稿日時
2017-08-31 13:21:31

脚本家コメント
P名を入力してください。

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※主人公はPにあたる人です。

全15話くらいの予定です。Pにあたる人がメインで出てくるのはちゃんP作品としては原点回帰みたいな感じですが、よかったらお付き合いください。

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天海春香
「お疲れさまでした!!」
天海春香
春香はCDの即売会の運営をしてくれたスタッフの方々に頭を下げると、その場をあとにした。
天海春香
導かれるがまま、付いて行ったCDの即売会は大盛況で、あっというまにCDは完売してしまった。
天海春香
予定していた時間より大幅に早く完売してしまったこともあり。
天海春香
残りの時間はファンサービスの時間に充てることができた。
天海春香
お陰様で即売会は大成功と言っていいだろう。商店街の売り上げにも少しは貢献できたと思う。
天海春香
P「次はっと…」
天海春香
スケジュール帳を開いて予定を確認する。
天海春香
P「次は赤坂で貴音と雪歩の二人と合流してラジオの収録か…」
天海春香
P「えっと…赤坂の収録スタジオって…」
天海春香
「どうやっていくんだっけ?…ですよね。プロデューサーさん…ふふっ♪」
天海春香
顔を上げるとそこにはイタズラっぽく微笑んでいる春香がいた。
天海春香
P「あのなあ…大人をからかうもんじゃ…」
天海春香
「えへへ…安心してください。私も一緒です。ちゃんと連れて行きますから」
天海春香
そう言われて微笑まれてしまうと、「助かる」としか返せなくなってしまう。
天海春香
春香、ずるいな…でもまあ、悪くない。
天海春香
「それにしてもあっという間でしたね」
天海春香
さっきの即売会を振り返って春香はそう切り出した。
天海春香
P「ああ、びっくりしたよ。こんなに人気だなんて…」
天海春香
「ありがとうございます。でも私なんかまだまだですよ。もっと精進しなくちゃ…えへへ」
天海春香
おいおい、謙遜なんかするなよとは思ったが口に出すのは辞めた。
天海春香
「あの…プロデューサーさん」
天海春香
P「ん?」
天海春香
「おぼえてくれているかはわからないですけど…まだ駆け出しのころ…」
天海春香
「私達、今日みたいに、一緒にあの場所でCDの即売会したんですよ」
天海春香
「おぼえていません…よね?」
天海春香
P「……」
天海春香
なにも言えなかった…
天海春香
身に憶えはあるものの、無責任に「うん、覚えている」と言ってはいけない気がした。
天海春香
たしかに、ゲームをやっていた学生時代。まだ、プロデュースをはじめたばかりの駆け出しの頃。
天海春香
春香と二人、一緒に商店街でCDの即売会をやるイベントをこなしたことがある。
天海春香
その時は、本当に、全くと言っていいほど全然売れなかったっけな…
天海春香
自信を失くして伏し目がちになりかけていた彼女を画面越しに見るのが辛くて…
天海春香
俺はそんな春香を元気づけるために、数ある選択肢の中から、CDを買ってあげるを選んだものだ。
天海春香
『プロデューサーさんが初めてのお客さんですね!』
天海春香
『プロデューサーさんが…私の…初めてのファンになってくれるんですね!」
天海春香
春香はそんなことを言って喜んでくれたっけな…
天海春香
でもそれは、この場では関係ないこと。何故なら、ここの春香のことを俺はよく知らないからだ。
天海春香
だからこそ、覚えてもいないことをあたかも覚えているように返事をしてしまうのは…
天海春香
失礼な気がした。それにきっと、彼女の本当のプロデューサーも、恐らく俺ではないのだ。
天海春香
ただ、そういう設定だから、俺の事をそう認識してしまっているんだ。
天海春香
「プロデューサーさん」
天海春香
「あの日々があったから、いまの私が、ううん、私達がいるんですよね」
天海春香
「そう…ですよね?」
天海春香
俺の反応を待つ事なく、春香は語りだそうとしていた。
天海春香
「私、はじめての即売会のこと、いまのいままで、忘れたことないです」
天海春香
「えへへ…なんだろう、私、おかしいのかな」
天海春香
春香は、俺が反応に困っていることに気付くと、首を傾げて微笑んだ。

(台詞数: 48)