ジュリア
なあ、本当にこの格好おかしくないと思うか?
如月千早
……ええ、大丈夫よ。心配いらないわ。
ジュリア
随分投げやりじゃないか?もう少し真面目に見てくれよ、こっちは真剣に……
如月千早
15回。
ジュリア
ん?
如月千早
同じ質問がもう15回目よ、いい加減こっちも嫌になるわ。
ジュリア
え、そんなに?わ、悪い。ぜんぜん記憶になかった……
如月千早
私が相談相手で良かったの、こういう事ならもっと適任な子がいくらでもいると思うけど。
ジュリア
いや。だって、他の連中にこんな事打ち明けられないし……
如月千早
信頼されるのは嬉しいけどね。デートなんて私もした事ないし、よく分からないわよ。
ジュリア
で、で、で、デートだあ!?違う違う、プロデューサーがレッスン用の楽器選ぶのに同行するだけだ。
如月千早
あら。なら、わざわざ服を新調したり、似合うかどうか私に聞いたりしなくてもいいんじゃない?
ジュリア
う。い、いや。これはその、何だ。アイドルが出掛ける際の心構えというかなんと言うか
如月千早
はいはい、頑張ってね……下着とかは大丈夫?
ジュリア
…………怒るぞ?
如月千早
冗談よ。でもあなたがそんなにプロデューサーを意識しているとは思わなかったわ。
ジュリア
いや、だから。そういうワケじゃなくて……
ジュリア
………………何だろうな?
如月千早
え?
ジュリア
いや。なんて言うのかな、アイツに誘われた時は嬉しかったよ。けどさ。
ジュリア
上手く言えないけどよ、たとえば憧れのミュージシャンに声掛けて貰えた!みたいな気分なんだよな。
如月千早
……
ジュリア
つまりさ。その、単に好きとかそういう感情でアイツを見てないというか…ああダメだ、分かんない。
如月千早
今まで誰かと付き合ったりとか、好きになったりとかはなかったの?
ジュリア
無いね。野郎の知り合いは沢山いたけど、バンドってのは男女関係はご法度みたいな所あるし。
如月千早
そう……ごめんなさい、正直私もそういう事は服以上に相談に乗れないわ。
ジュリア
ああ、いいんだ。チハがそういうの苦手ってのはよく知ってるし。聞いてくれれば充分だよ。
如月千早
そう?
ジュリア
ああ。こういうのは口に出すだけでもいいんだよ、相手が相棒なら尚更な。
如月千早
あら。あなた、この前自分の相棒は静香だって言ってなかった?
ジュリア
背中を預けられる人間が一人だけとは限らないぜ。チハにだって、そういう相手は沢山いるだろ?
ジュリア
…………そうだな。うん、プロデューサーともそれでいいんだろうな。
如月千早
たしかにそうね、春香にあなたにそれから…え?
ジュリア
あたしとプロデューサーの関係さ。好きとか嫌いとか、男と女とか、そういうんじゃなくて。
ジュリア
背中を預けられて、心の底から信頼し合える存在なんだ。それでいいだろ?
如月千早
……そうね。それでいいんでしょうね、きっと。
ジュリア
だよな、うん。だいたいあたしにそういうのは似合わないよ。そもそもアイドルなんだし。
如月千早
……まあ、そうね。
ジュリア
だろ?いや〜、なんかスッキリしたよな。そうだよ、プロデューサーを男として見るのがおかしいんだ…
ジュリア
よし、それじゃあ明日楽しみにしとくかな……
如月千早
どうかした?
ジュリア
なあ。やっぱ、メイクとかしてった方がいいのかな?すっぴんってのも悪い気がするし……
如月千早
(めちゃめちゃ意識してるじゃない……)
(台詞数: 43)