北沢志保
…何か落ちているわね。
北沢志保
これは、楽譜…?
北沢志保
書き込みが多いし、セロテープで何度も補強してる…。ずいぶん使い込まれているみたいね。
北沢志保
名前は…書いてないか。
北沢志保
「落とし物」ってメモを付けて、ホワイトボードに貼っておこうかしら。
矢吹可奈
…うぅ~ん、どこに落としたのかな~?あと1枚、あと1枚なのに~!
北沢志保
はぁ…。どうやら、その必要もないみたいね。
北沢志保
…可奈。探しているのは、これ?
矢吹可奈
志保ちゃん…?
矢吹可奈
そう、それだよ!拾ってくれて、ありがと~!
北沢志保
もう…。必死になって探すほど大切なものなら、落とさないようにしなさいよ…。
矢吹可奈
えへへっ…。ごめんね。
ロコ
カナ~!どうですか~?
矢吹可奈
あっ、ロコちゃん!見つかったよ~!志保ちゃんが拾ってくれたの!
ロコ
それはグレイトです!ロコも今からそこに行きますね~!
北沢志保
…可奈。あなた、ロコさんにも手伝わせてたの?
矢吹可奈
えーと、手伝わせたっていうか、協力してもらっているっていうか…。
ロコ
ロコからヘルプを申し出たんですよ!
ロコ
見てください!こんなユーズドなフィーリングは、アートではなかなか表現できませんよ!
ロコ
このテイストを残しながらレストアする…ふふふっ、インスピレーションが刺激されます!
矢吹可奈
…こんな感じで、ロコちゃんが破れたところとかを修理してくれることになって。
北沢志保
そう。まあ、ロコさんがそう言っているなら、別にいいけど。
北沢志保
それはそれとして、この楽譜は公演で使うものでしょ?もう少し丁寧に扱った方がいいわよ。
矢吹可奈
えっ?公演…?
ロコ
あ~、そのページにはスコアが載っているから、ミスアンダースタンドしたんですね?
ロコ
シホ。それは、ショーに使うスコアじゃなくて、ボイストレーニングのレッスンブックです。
北沢志保
レッスンブックって…!これ、本だったの…!?
矢吹可奈
うん。ずっと前に、千早さんが私にプレゼントしてくれたの。
矢吹可奈
自分が使ってたもので、これなら初心者から上級者まで基礎がしっかり学べるって。
矢吹可奈
大事にしてたつもりだったんだけど、背表紙がばらけて、何枚か風に飛ばされちゃって…。
北沢志保
…ねえ、可奈。今あなたが手に持っている分、全部見せてもらってもいい?
矢吹可奈
え?いいけど…。
北沢志保
(楽譜のページだけじゃない。他のページにも、いたるところに書き込みや補修の跡が…。)
北沢志保
(あと何十ページ…何百ページ?それを、背表紙がダメになるまで何度もページをめくって…。)
北沢志保
千早さんに貰った物だから、こんなにボロボロになるまで使っているの?
矢吹可奈
それもあるけど…。私にとっては、半分お守りみたいなものだから。
矢吹可奈
志保ちゃんも知ってると思うけど、私、ちょっとしたことでくじけちゃうでしょ?
矢吹可奈
でも、この本を見ると「私はこんなに頑張れた。次も頑張れる」って、勇気が出るんだよ!
北沢志保
(基礎は大事。そんなのは知っている…知っているつもりでいた。)
北沢志保
(私は可奈のように、自分の拠り所にできるまで一心に練習したことは…あった?)
矢吹可奈
どうしたの、志保ちゃん?怖い顔して…。
北沢志保
…ありがとう。返すわね。
北沢志保
それと、ごめんなさい。用事ができたから、もう行くわ…!
矢吹可奈
あっ…志保ちゃん!
矢吹可奈
…何かあったのかな?急に様子が変になったと思ったら、そのまま行っちゃった…。
ロコ
ふふん♪ウォーリーはナッシングですよ、カナ。
ロコ
シホの目はバーニングでした。モチベーションがマックスでストップしていられないんですよ。
ロコ
ロコと同じで、カナのレッスンブックにインスパイアされたんですね。
矢吹可奈
えっ…?そ、そうなのかなぁ…?
ロコ
そうですよ!ロコの目は確かです♪
(台詞数: 50)