二階堂千鶴
た、大変ですわ～!
二階堂千鶴
冷蔵庫の中に化粧箱入りのマスクメロンが!こんなもの、いったい誰が入れたんですの!?
萩原雪歩
あっ。それなら、私が入れましたぁ。
萩原雪歩
お父さんが談合の相手から貰ったんですけど、今度ガサ入れがあるってタレコミがあって…。
萩原雪歩
うちに置いておくと危ないので、劇場のみんなに証拠隠滅(おすそわけ)ですぅ。
二階堂千鶴
そ、そうでしたの…。まあ、出所は聞かなかったことにして、感謝いたしますわ。
二階堂千鶴
ふむ…。ちょうどいい熟し具合で、今が食べ頃といったところですわね。
二階堂千鶴
他の人には悪いですが、今日劇場にいる人達でいただくとしましょうか。
二階堂千鶴
そういえば、近くに…やよい～!
高槻やよい
は～い!なんですかぁ、千鶴さん?
二階堂千鶴
雪歩ちゃんからの差し入れですわよ。ほら、こんなに立派なメロン!
高槻やよい
うわぁ…ありがとうございます、雪歩さん!
高槻やよい
メロン、おいしいですよね!私、大好きです!
二階堂千鶴
ふふっ。そうですわね…。
二階堂千鶴
(…ちょっとお待ちになって。メロンが…美味しい?大好き?やよいが?いえ、まさか…。)
萩原雪歩
やよいちゃん。メロンパンにはメロンは入ってないよ?
二階堂千鶴
雪歩ちゃんはコロッケでも喰らいなさい!
萩原雪歩
むぐう…。
二階堂千鶴
まったく、失礼な。いくらやよいだって、メロンくらい食べたことはありますわよ!…ね?
高槻やよい
もちろんです!一年に一度くらいは、家族みんなで食べてます!
二階堂千鶴
ほっ…。よかった…。
高槻やよい
それにしても、このメロン、皮がついたままなんですね?
二階堂千鶴
…皮?
高槻やよい
この網目の部分です。お母さん、皮は果物屋さんで取ってもらうって言ってました。
高槻やよい
だから、うちで食べるメロンは、表面がすべすべでツヤツヤしてるんです!
二階堂千鶴
それは…もしかして。
萩原雪歩
(もぐもぐ、ごっくん。ずずず～)ふう…。
萩原雪歩
やっぱり、マスクじゃなくて、プリンスメロンでしたねぇ。
二階堂千鶴
雪歩ちゃんはメンチカツでも喰らいなさい!
萩原雪歩
むぐう…。
二階堂千鶴
プリンスメロンの何が悪いのですか!あれだって十分に美味しいのですよ!ねえ、やよい?
高槻やよい
え～、プリンスメロンじゃないですよぉ。スーパーで見たことがあるから、違いはわかりますもん。
高槻やよい
皮をむいたメロンって、見た目は似てるんですけど、少し黄色で、こんな感じに模様があって…。
二階堂千鶴
(それは…マクワウリ!庶民の味方プリンスメロンを通り越して、まさかの瓜!)
二階堂千鶴
(いいえ、瓜も美味しいですわよ。実際、わたくしも大好きです。)
二階堂千鶴
(ですが、マスクメロンの代用品としては…あまりに、あまりに…不憫っ!)
高槻やよい
あれ?どうしたんですか、千鶴さん…。
二階堂千鶴
…いいえ、何でもありませんわ。それより、やよいの取り分はこのくらいでいかがかしら?
高槻やよい
はわっ!?いいんですか、こんなに大きく切ってもらって!
二階堂千鶴
わたくしはセレブだから食べ飽きてますし、雪歩ちゃんはお腹いっぱいですもの。どうぞ召し上がれ。
高槻やよい
ありがとうございます!では、いっただきまーす!
高槻やよい
はむっ…!
高槻やよい
…その瞬間、高槻やよいの脳髄に電流が走った。
高槻やよい
口の中いっぱいに広がる芳香。歯で噛み切るまでもなく、舌でとろけ、ほどけていく果肉。
高槻やよい
繊維の一本一本に絡みついた糖蜜の如き甘み…甘みは「うまみ」とも読むがその結晶が口内を蹂躙し
高槻やよい
味蕾を貫き多幸感すら覚えるこれぞまさに天上の甘露と呼べばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばば
萩原雪歩
や、やよいちゃん、何か地の文めいたことを呟いたかと思ったら、白目を剥き始めましたぁ!
二階堂千鶴
これは、拒絶反応…いえ、致命的なバグですわ!誰か、救急車!救急車をー!!
高槻やよい
あばばばばばば…
高槻やよい
メロン、おいしいですよね!
(台詞数: 50)