田中琴葉
学内表彰、か。
舞浜歩
あ、琴葉こんなところに。安静にしてないじゃん、
永吉昴
すっげ屋上だ屋上だ!
田中琴葉
二人とも、私を探してたの? ごめんなさい、なんとなく部屋にいる気分じゃなくて。
舞浜歩
黄昏てたとか? 場所がベタだなあ。
永吉昴
じゃなくてさ、この後もあるから早く言うこと言わないと。
舞浜歩
あ、そうだった。ギリギリの時間で予約してたんだった。
舞浜歩
やい琴葉! お前に伝えたいことが二つある!
舞浜歩
オフィシャルな用が一つと個人的な奴が一つ!
永吉昴
どっちから聞きたい?
田中琴葉
え、じゃあオフィシャルな方。
舞浜歩
この前の琴葉の例のやつ、結局褒められる感じになった。強盗取り押さえたみたいな。
舞浜歩
実際に乙種をコテンパンにしてるの見てた人が多いからな。所謂ウルトラマン状態。
田中琴葉
そう、それで学内表彰なんだ。
舞浜歩
あれ! もしかして知ってた? 二重連絡だ!
永吉昴
いや、本人に通知したけど形式上歩むが直接通告しないとダメって言ってたじゃん。
舞浜歩
そうだっけ。クルトンが楽しみ過ぎて聞いてなかった。
舞浜歩
ていうか琴葉嬉しくなさそうじゃん。そりゃあ理事会から広告塔として使われるだろうけど。
舞浜歩
それでもお咎め無いんだからいいじゃん。
田中琴葉
街を守れなかった私は褒められて、ずっと皆を守って来たエレナは謹慎だなんて。
舞浜歩
琴葉、それは……
舞浜歩
……
永吉昴
え、何の間?
舞浜歩
この胸中の思いをなんと伝えるべきか迷って。
永吉昴
もー。早くしないとクルトン遅れちゃうじゃん。
舞浜歩
琴葉、オフィシャルな要件追加。すぐ部屋に戻って休め。
田中琴葉
……分かりました。
舞浜歩
うわあめっちゃ従順だ! ちょっと待って個人的なのあるからまだ戻らないで。
舞浜歩
やい琴葉! 今からお前はアタシのライバルだ! 月夜ばかりと思うなよ!
田中琴葉
ライバル? それは、私がエレナの代わりだから?
舞浜歩
なんでそんな発想になんの。エレナはエレナでライバルのままだって。
舞浜歩
ライバルとフォロワーは多い方がいいんだぞ。
永吉昴
歩って浮気性だからなあ。
田中琴葉
もし私があの時、エレナの衣装に乗り込まなかったら。歩がアレと戦っていたかもしれない。
田中琴葉
表彰を受けるのは、私じゃなくて───
永吉昴
ネガティブが底なしだ!
永吉昴
でもさー琴葉。結局オレ達間に合ってなかったわけで。
舞浜歩
……そう、間に合わなかった。琴葉がいなければ、もっと大変なことになってた。
田中琴葉
で、でもそれはあなたたちが外海まで警備に行ってたから。
舞浜歩
琴葉、これからライバルになるお前にこれだけは言っておくけど。
舞浜歩
アタシたちは仕事でサンバしてるわけじゃない。皆を守るためにやっている。
田中琴葉
ご、ごめんなさ───
舞浜歩
ああもう謝らないで。感謝ならまだしも謝られる筋合いはないって。
永吉昴
あ、ちなみに感謝ってあれな。あの後琴葉を運んだのはオレたちだから!
田中琴葉
そうだったんだ。ごめ……ありがとう。
舞浜歩
えへへ
永吉昴
あ、ありがとう慣れしてない奴の反応だ。
永吉昴
ていうか、お礼ならオレたちだって言わないといけないんじゃないの? 戦ってくれたんだし
永吉昴
ありがとうな、琴葉!
舞浜歩
……琴葉
舞浜歩
アリガトウ。
永吉昴
すっげー! 言うのも慣れてない!
田中琴葉
あの……
永吉昴
琴葉、ちゃんとした「ありがとう」はちゃんと受け取った方が良いって。
田中琴葉
うん……二人とも、どういたしまして。
舞浜歩
……
永吉昴
え、何の間?
舞浜歩
琴葉、個人的な用がもう一つ。
田中琴葉
な、なに。
舞浜歩
アタシと、友達になろうぜ。
田中琴葉
……。
永吉昴
あ、ひどい! 今までは友達と思ってなかったの!
舞浜歩
言い方が悪かった! これからはより強固な友達と言うか!
舞浜歩
だってサンバ、踊るんだろ。
田中琴葉
……
田中琴葉
……うん。これからもよろしくね。歩、昴ちゃん。
舞浜歩
おう!
舞浜歩
……
舞浜歩
…………
舞浜歩
…………!!!
永吉昴
間がうるさいな! なに!
舞浜歩
クルトン!
永吉昴
クルトン!!
舞浜歩
というわけでバイバイ琴葉! ちゃんと寝ろよ!
永吉昴
寝ろよ!
田中琴葉
騒がしい人たちだったな……でも。
田中琴葉
エレナ、私やっぱり。
(台詞数: 77)
ドラマシアター武闘会
2019-06-08 23:22