松田亜利沙
ありさに相談、ですか?
望月杏奈
……いい?
松田亜利沙
もちろんです。ちなみにですけど……ロコちゃんのことですか?
望月杏奈
うん。
松田亜利沙
それじゃあちょっと待ってください。アイスコーヒーを淹れますので。
望月杏奈
ねぇ……ロコのことを相談するとき、どうして……いつも、コーヒーを……いれる、の?
松田亜利沙
儀式みたいなものです。気にしないでください。それで、今回はどうしたんですか?
望月杏奈
……記念日なの。
松田亜利沙
記念日……?何の記念日なんですか?
望月杏奈
わかんない。
松田亜利沙
……はい?
望月杏奈
ロコが……今日は特別な記念日だって。でも……杏奈、よく分からなくて。
松田亜利沙
そうですか……。しかし、ありさのデータベースでは今日が何の記念日かまでは。
望月杏奈
……あんなに、のぞき見しているのに?
松田亜利沙
失敬な!いつもたまたま偶然カメラを持って歩いていただけです!
望月杏奈
……。
松田亜利沙
それよりも、何の記念日かを考えましょう。心当たりはありませんか?
望月杏奈
……なくは、ない。
松田亜利沙
なんですか?
望月杏奈
ロコが淹れたコーヒーを、初めて飲んだ日から100日目
望月杏奈
砂糖も、ロコが入れてくれたの。……とっても、おいしかった、な♪
松田亜利沙
あー……タシカニソレハジュウヨウデスネー
望月杏奈
……?亜利沙、しゃべり方が、いつもより……変。
松田亜利沙
喉の奥が甘くなっただけです。もっとわかりやすいものはないですか?
松田亜利沙
初めて手をつないだとか、初めてキスしたとか。
望月杏奈
キ、キス……!?亜利沙のエッチ……。
松田亜利沙
付き合い始めたばかりの中学生みたいな反応しないでください。
ロコ
アンナ、ここにいたんですね。
望月杏奈
ろ、ロコ……!
ロコ
それで今日が何のアニバーサーリーかわかりましたか?
望月杏奈
え、えーっと。ロコのコーヒーを初めて飲んだ日から……100日目、かなって。
ロコ
イグザクトリーです!でも、もっとスペシャルなアニバーサリーがありますよ!
望月杏奈
あの……その……。ごめん、わかんない、です。
ロコ
ああっ、そんなサッドネスな顔をさせるつもりは……。
ロコ
ただ、ロコはアンナに一日中ロコのことを考えてほしくて。
望月杏奈
ロコのことを……?
ロコ
何のアニバーサーリーかクエスチョンを出せば、アンナは考えてくれると思って。
松田亜利沙
なるほど。今日は「杏奈ちゃんがロコちゃんのことだけを考えてくれた記念日」なんですね。
望月杏奈
そう……なの?
ロコ
うう、ソーリーです……。
望月杏奈
だったら、毎日が記念日、だね。
ロコ
エブリデイが、ですか?
望月杏奈
だって……杏奈は毎日ロコのことしか考えてないから。
ロコ
アンナ……!
望月杏奈
……えへへ。
松田亜利沙
……案の定、甘ったるい空間ができあがりました。
松田亜利沙
まぁ、このために苦いコーヒーを準備しておいたんですけどね。
松田亜利沙
それじゃあ、いただきまーす!
松田亜利沙
……
松田亜利沙
これ、麦茶でした。
(台詞数: 50)