プロデューサー・ネバー・ダイ
脚本家
遠江守(えんしゅう)P
投稿日時
2019-11-11 19:17:01

脚本家コメント
イチャラブ杯の準決勝作品です!

アイドル「ロコ」
お題「誤字」

Scissors(はさみ)
Producer(プロデューサー)
needless(不必要な)

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ロコ
『ロコはScisorsを買ってきます。Prducer、Worryはneedlesですよ!』
ロコ
……あのメールをセンドしてしばらく経ちますが、プロデューサーはリードしてくれたでしょうか?
ロコ
今、ロコはキッドナップされて、どこかのウェアハウスでバインドされていました。
ロコ
ヴィランはロコに、フェイクのためにピースフルなメールを送れとコマンドしたのです。
ロコ
ロコのメッセージを、プロデューサーがファインドしたら、ポリスが来てくれるかも。
ロコ
でも、ついにヘルプレスのまま、ビデオカメラをレディしたヴィランが、ロコにその手を……!
ロコ
「た、助けて……プロデューサーぁ!!」
ロコ
そのボイスに、レスポンスはありませんでした。ロコは、目をきつくシャットしようとして。
ロコ
……代わりに耳に飛び込んできたのは、シャッターをブレイクスルーしたサウンドでした。
プロデューサー
「ロコ!無事か!?」
ロコ
……アンビリーバブルです。セダンでシャッターをブレイクしたのは……プロデューサー!?
ロコ
「プロデューサー!来てくれたんですね……!」
プロデューサー
「ロコのメールのおかげさ。カタカナ語の単語を、あえてスペルミスした英語で書いただろう?」
プロデューサー
「すぐにわかったよ。スペルが抜けている部分を抜き出して繋げると、1つの単語が出てくる……」
プロデューサー
「……“SOS”。これは誤字じゃない。ロコが俺に助けを求めるメッセージだって」
プロデューサー
「あとはスマホのGPSを追跡アプリで探知しただけだ。
……偽装工作が仇となったな?」
ロコ
ターンしてヴィランをにらむその顔は、ロコが今まで見たことのないアングリーなものです。
プロデューサー
「熱狂的なファンといったところか?撮影機材を使って、何をするつもりだったかは知らんが……」
プロデューサー
「……貴様の一方的な欲望で手に入るのは、ロコの泣き顔と恐怖に歪んだ顔だけだ!」
ロコ
シャウトとともに、プロデューサーのパンチがヴィランの顔にハードヒット!
プロデューサー
「女の子はな……優しくして、守って、愛して。ようやく、心からの笑顔を見せてくれるんだよ」
ロコ
そのワードに。それをエスタブリッシュしてみせたこの人に、ハートがドキドキしてしまいます。
ロコ
ヴィランをノックアウトしたプロデューサーは、ロコのボディをやさしくハグしながら、
プロデューサー
「怖い思いをさせてすまない。今、ほどいてやるからな。何かひどいことは……されてないよな?」
ロコ
「はい……!ベリーデンジャラスでしたけど、その前にプロデューサーがセーブしてくれました!」
プロデューサー
「……よかった。もし間に合わなかったらと思うと、気が気じゃなかったよ」
ロコ
そのとき、プロデューサーのバックでヴィランがスタンドアップするのが見えて。
ロコ
そして、バン、とエアーがブラストして、近くでメタリックなサウンドがストライクしました。
ロコ
「プロデューサー!あ、あのヴィランは……ピストルを持ってます!」
プロデューサー
「……ロコ、体を小さくして。俺の体に隠れるように」
ロコ
「ま、まさかプロデューサー!?ロコのカバーになるつもりですか!」
プロデューサー
「大切なロコを傷つけられるくらいなら、俺がピストルで撃たれた方が何倍もましさ」
プロデューサー
「それに、俺は死んだりしないよ。ロコを悲しませたくないからね。俺達は、最後まで一緒だ」
ロコ
「……わかりました。ロコは、プロデューサーをビリーヴします」
ロコ
プロデューサーはロコをハグしたままダッシュしました。ウェアハウスのウインドウに向かって。
ロコ
ヴィランも何発かシュートしますが、バレットはプロデューサーのボディをかすめるだけです。
ロコ
ウインドウのガラスがスプラッシュして……ロコのサイトのすみで、何かがフラッシュしました。
ロコ
プロデューサーが外にダイブしたモーメントに、ウェアハウスがエクスプロードしたのです。
ロコ
ロコ達のボディは、グラウンドをゴロゴロとローリングして、ようやくストップしました。
ロコ
プロデューサーがカバーしてくれて、ロコはノーダメージですが……プロデューサーは!?
プロデューサー
「一発目が機材用の発電機を撃ち抜いて、ガソリンが漏れていたんだ。危ないところだった……」
ロコ
「プロデューサー!ケガは!?ロコに見せてください!」
ロコ
心配するロコに、プロデューサーはやさしい笑顔で、首を横にシェイクして。
プロデューサー
「大丈夫だよ。命に関わるような、たいした怪我はしてないさ」
プロデューサー
「それよりも、今はこのままロコが無事だったという嬉しさを、俺の腕で確かめさせてくれ」
ロコ
「……はい」
ロコ
ギュッとハグする腕に包まれながら、ロコはしばらくハートビートのサウンドを聞いていました。
ロコ
……サイレンがリサウンドしています。プロデューサーが呼んだポリスが来たのでしょうか。
ロコ
せめてこれだけは。ポリスマンが来る前に、ロコはそっと、プロデューサーの頬にキスをしました。
ロコ
大好き。
……ロコのヒーロー。

(台詞数: 50)