横山奈緒
のり子って、夕日に溶けていってしまいそうや
福田のり子
…なに、急に。寒くて変になった?
横山奈緒
いや、のり子の髪の色って夕日みたいな色してるやろ?
横山奈緒
で、夕日バックにしてのり子のこと見とったら、のり子のこと見失ってしまったんよ
福田のり子
なんだそりゃ。アタシの髪そんなにきれいな色じゃないし、夕日が眩しかっただけでしょ
横山奈緒
…ま、そういう感じよ。夕日見てたらセンチにならへん?
福田のり子
まあ、気持ちはわかるけど。アタシのこと勝手に溶かさないでくれる?
横山奈緒
んふふ、ごめんて。お詫びにそこの自販機でなんか奢ったろか?
福田のり子
え、いいの?じゃあ、コーンポタージュで
横山奈緒
…ああ、髪の色と絡めてな
福田のり子
あんまり足役からかうと置いてくよ。こっちのが強いんだからね
横山奈緒
こわっ。急いで買うてきます
福田のり子
転ぶなよー
横山奈緒
おかんかー
福田のり子
ふぅ、まったく…
福田のり子
ふぅ、まったく…っくしゅ
福田のり子
うぅ、もう一枚着てくればよかったな…
福田のり子
(にしても、奈緒のやつ…さっきの、どういうつもりで言ったんだろ)
福田のり子
(意外と褒めてくれてたりして?夕日と同じくらいきれいな髪だね、って)
福田のり子
(だとしたら、悪いことしちゃったかな…)
福田のり子
(…いや、それはないか。だって奈緒だもん。美味しいものは美味しいとしか言えないもん)
福田のり子
だとしたら、本当はどういう意味だったんだろう…
横山奈緒
なにがー?
福田のり子
うわぁっ!?
横山奈緒
ええ、そんな驚く…?
福田のり子
あ、あはは…ごめん。ちょっとぼーっとしてた
横山奈緒
あ、そ。ほい、コンポタ
福田のり子
お、さんきゅ。はーっ、あったか…。
横山奈緒
それと、上着。羽織っとき
福田のり子
え、いいよ
横山奈緒
ええのええの、寒いんやろ?くしゃみ、聞こえとったで
福田のり子
え、聞こえてた?
横山奈緒
わりとな。ちょっと冷えてきたもんな
福田のり子
…ありがと。借りるよ
横山奈緒
ほいほい
福田のり子
……あのさ、奈緒?さっき言ってたのって、どういう意味?
横山奈緒
さっきのってー?
福田のり子
夕日にアタシがどう、ってやつ。ほんとに意味なかったり?
横山奈緒
ああ、ないない。ちょっとそれっぽいこと言ってみたくなっただけや
福田のり子
マジで?
横山奈緒
マジよ
福田のり子
…なんだそりゃ。急に文系かよ
横山奈緒
見失ったのはほんとやけどな、めっちゃ眩しいもん
福田のり子
へへ、じゃあ手でも握っとく?それなら見失ったりしないよね
横山奈緒
んー、ええなそれ。手冷たいしちょうどええわ
福田のり子
おお…冗談のつもりだったんだけど、まあいいか。はい、どうぞ
横山奈緒
…ん、めっちゃ冷たいな
福田のり子
そりゃあね、奈緒だって冷たいよ
横山奈緒
…そうやな、冷たいわ。握っとったらあったかくなるかな
福田のり子
なるんじゃない?コンポタもあるし
(台詞数: 50)