ボリジ
脚本家
ペイター@Blue Sympho人
投稿日時
2019-11-23 11:09:09

脚本家コメント
ドラマシアター武闘会シリアス杯投稿作品

その花カッコイイですね!

コメントを残す
ロコ
ある日を境に、この独房がロコの居場所になった。
ロコ
日常、故郷、祖国、友すらも失った私の行き着いた先。
ロコ
ここに来てから、どれだけの時間が経ったのだろう。
ロコ
もはや、どうして生きているのかも分からない。
ロコ
それでも___
永吉昴
「おっす!元気か?」
ロコ
____この人は毎日来てくれる。
永吉昴
「ったく、頭数だけ多いくせに弱いってのも面倒なんだな…」
ロコ
ロコの全てを奪った張本人。
なのに___
永吉昴
「ところでさぁ…」
永吉昴
「オレと同い年なのに、どうやって大学行ったんだ?」
ロコ
「その話は昨日しました。」
永吉昴
「えっ!?そうだっけ!?」
ロコ
「話してる途中で寝てましたからね。」
永吉昴
「じゃあまだ聞いてないな!」
ロコ
こうして、来るたびにロコの話を聞こうとしてくる。
ロコ
ほとんどの場合途中で寝るので、聞く気があるのかは分からないが。
ロコ
本来、囚われの人間はこういう会話をするものなのだろうか。
ロコ
あるいは…
永吉昴
「もしかして、怒ってるのか…?」
ロコ
「そういうわけじゃ無いんですが…」
ロコ
「普通、捕虜とこんな風に話をするものなのかなぁと…」
永吉昴
「普通はしないよな!したこと無いし!」
永吉昴
「オレが話したくて来てるだけだしな!」
ロコ
「えっ」
ロコ
予想もしていなかった答えに言葉が詰まる。
ロコ
本来なら、どうという言葉でも無いはずなのに…
ロコ
熱が全身に回るような感覚が駆け抜ける。
永吉昴
「どうした?なんか顔赤いぞ?」
ロコ
「だ、大丈夫です!ちょっと眠くなってきただけですから!」
永吉昴
「そっか。じゃあ、今日はもう戻るよ。」
ロコ
「あ、あの!」
永吉昴
「どうした?」
ロコ
「明日も来てくれますか?」
永吉昴
「___!」
永吉昴
「当たり前だろ!」
ロコ
「それなら良かったです!」
ロコ
もしかすると…
ロコ
この人に奪われるために生きているのかもしれない。
ロコ
でも、悪い気はしない。
ロコ
だって…
ロコ
"奪って欲しい"と思えるのだから。
永吉昴
「あっ、そうだ。」
永吉昴
「来週は任務で戻れないから、留守番よろしくな!」
ロコ
「ノープロブレムです!ここから出られませんから!」
永吉昴
「確かにそうだったな!」
ロコ
「ちなみに、どこに行くんですか?」
永吉昴
「確か…
永吉昴
「確か…そう!
永吉昴
「確か…そう!"日本"ってところだ!」

(台詞数: 50)