田中琴葉
こっちよ、歩。もう少しで頂上だから頑張って!
舞浜歩
……っ!
田中琴葉
わあっ!すごい星空……。空気が澄んでるから、街で見るのとは全然違うわね。
舞浜歩
そうだね。ここまですごいのはアタシも久しぶりに見たよ。少し雲があるのは残念だけど。
田中琴葉
そうね。そういえば歩は冬の星座ってどれくらい知ってる?
舞浜歩
あー……オリオン座は分かりやすいって聞くけどサッパリ。琴葉は知ってるの?
田中琴葉
もちろん、今の時期の星座はちゃんと予習してるわよ?
田中琴葉
オリオン座は、あそこに三つ並んでる星と、周囲の四つを組み合わせた物。
舞浜歩
なるほど、確かに分かりやすいや。
田中琴葉
TSVの三人で山に登った時も見つけたっけ、オリオン座。懐かしいなぁ……。
舞浜歩
琴葉……。
田中琴葉
それで、オリオン座の左上の星を含んだ、大きな三角形が冬の大三角形ね。
田中琴葉
でも、今は、他の二つの星が雲で隠れちゃってるけど……ね。
田中琴葉
ふふっ、二人が欠けちゃった今のTSVみたい。
舞浜歩
……その原因を作ったのは、さ。
田中琴葉
歩?
舞浜歩
……元凶は琴葉だよね。
田中琴葉
……。
舞浜歩
……何か言ってよ、琴葉!
田中琴葉
そうよ、私がすべての元凶。恵美とエレナだけじゃないわ。
田中琴葉
美也だって海美ちゃんだって。プロデューサーの時も私の仕業。
舞浜歩
なんでなんだよ!琴葉は皆が大好きだったんだろ!?
田中琴葉
うん、それは今でも変わらないわ。みんな大好きのまま。でも……。
田中琴葉
委員長の私はもう御終い。
田中琴葉
優等生の私はもう卒業したの。
田中琴葉
私、悪い子になっちゃったわ。
舞浜歩
琴葉、もういい!やめて!!
田中琴葉
悪い子になっちゃった私は止まらないわ。もっともっと続けてしまう。
田中琴葉
それはもう、止められないの。あれ?止めたくないのかしら……。
田中琴葉
ああ、なるほど。デストルドー総帥って、私に適任だったのね。
田中琴葉
演技をしていたはずの私が、演技されていた存在にどんどん近づいちゃって。
田中琴葉
それすらも愉しくなって、このままでいいって思えちゃって。ふふ、私って本当に悪い子。
田中琴葉
ねえ。歩は私を……こんな私をまだ、仲間だって言ってくれる?
舞浜歩
もちろんだろ!だから、こんなことは止めて一緒に劇場に戻ろうよ!!
田中琴葉
そう……やっぱり優しいなあ。それに一緒にユニットを組んだ仲で、一番のお姉さん。
田中琴葉
だから、貴女をここに呼んだの。こんなこと、貴女にしか頼めないから。ねえ、歩。
田中琴葉
私を……。
田中琴葉
『私を、コロシテ』
(台詞数: 38)