プロデューサー
『ここはミリオン魔法学校。立派なメイジ(魔法使い)の養成学校。』
七尾百合子
ファイヤーボール!ファイヤーボール!
七尾百合子
うぅ、全然上手くいかない。こんな初級の炎魔法すら使えないなんて……。
七尾百合子
このままじゃ、来週の試験で不合格になっちゃう!
エミリー
火炎玉!えいえいっ!火炎玉!
七尾百合子
(あ……エミリーちゃん。エミリーちゃんも、テストに向けて頑張ってるんだ……。)
エミリー
火炎玉っ!……不思議です。全く炎が出ません。
七尾百合子
……ねぇ、エミリーちゃん。
エミリー
どうかなさいましたか?百合子さん。
七尾百合子
あのね、言いにくいんだけど……呪文が違うんじゃ、魔法は出ないと思うよ?
エミリー
呪文が……違う?
七尾百合子
うん。ちゃんとファイヤーボールって言ってみたらどうかな。
エミリー
嫌です。
七尾百合子
嫌!?
エミリー
私は立派な大和撫子を目指して、この学び舎にやってきました!
エミリー
そんなはしたない呪文は口にできません!
七尾百合子
メイジ自体が大和撫子のイメージからかけ離れているんだけど!?
七尾百合子
まあ大和撫子はともかく、正しい方法でやらないと成果は出ないよ。
エミリー
でしたら火炎玉という呪文を新たに開発致しましょう。
七尾百合子
車輪の再発明だ!
エミリー
日本語の呪文、何年かかろうと、必ず完成させてみせます!
七尾百合子
その熱意は良いと思うけれど、 来週のテストに間に合わないよ。
エミリー
そ、それは……そうですけど……。
七尾百合子
日本の武芸の教えに、守破離ってあるのは知ってるよね?
七尾百合子
師の教える型を『守り』、次にその型を『破り』、最後は自らの型へと『離れる』……。
七尾百合子
魔法もそうやって身につき、発展していくと思うの。
七尾百合子
エミリーちゃんも、今は基礎をしっかり身につけるのが良いと思う。
エミリー
……今の言葉、五臓六腑に染み渡りました!
エミリー
和に対する造詣が深いなんて、 流石は百合子さんです♪
七尾百合子
そ、そうかな?
エミリー
わかりました!私、まずは基礎を学ぶことから始めたいと思います!
七尾百合子
頑張ってね……ううん、頑張ろう!
プロデューサー
『3日後』
エミリー
火炎玉!!
エミリー
出ました!成功です!
七尾百合子
基礎は!?ていうか、3日で新しい呪文を完成させるとか、天才なの!?
エミリー
まさか。私にそこまでの才能はありません。
七尾百合子
そうなの?実際に火の玉を出せているけど……。
エミリー
呪文を唱えずに使える炎魔法を学びました。今のは、それに言の葉を乗せているだけです♪
七尾百合子
無詠唱呪文とかもっと高難易度のやつじゃない!やっぱり天才か!
エミリー
百合子さん。私、今回のことで、基礎を学ぶことの大切さを知りました。
エミリー
これからも、立派な大和撫子を目指して精進してまいります♪
七尾百合子
釈然としないけど……エミリーちゃんは成功させたんだ。すごいなぁ。
七尾百合子
私も頑張らないと!
七尾百合子
ファイヤーボール!ファイヤーボール!
七尾百合子
全然出なーい!なんでー!?
エミリー
Fire Ballの発音が正しくないからではないでしょうか?
七尾百合子
えっ!?今の、どう発音したの!?もう1回お願い!
エミリー
嫌です、はしたない♪
七尾百合子
そんなーーー!!
(台詞数: 50)