アイマス・ゾーン(2)
脚本家
平沢ヒラリー
投稿日時
2020-02-12 17:45:07

脚本家コメント
続きです。

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菊地真
高木順二朗、××才。芸能事務所765プロ経営。間違いないね?
高木社長
あ、ああそうだが。
菊地真
なら、今言ったようにあなたは明日心臓発作で倒れてそのまま帰らぬ人となる。
菊地真
信じるどうかは個人の勝手だけど、僕としては身辺整理しておくことをオススメするね。それじゃ。
高木社長
ま、待ってくれ!
……それは、本当のことなのかい?
菊地真
言っただろ、信じる信じないはそっちに任すって。信じやすいよう色々見せはしたけど。
高木社長
う、ううむ……
菊地真
あの世も色々でね、僕のいる所じゃ前もって連絡するきまりなんだよ。あなたはそこに行くってわけ。
菊地真
ま、そういうわけだから。明日死んだあと迎えに来るよ、それじゃあね。
高木社長
そ、そんな。なんとかならないのかね。私はまだまだ死ぬわけにはいかないんだ。
菊地真
ダメだね。ごく一部の例外を除き、死期を延ばすことは認められてないんだよ。
高木社長
例外があるのかね。教えてくれ、私がそれに当てはまるかもしれないだろう?
菊地真
あ、しまった。う〜ん、ホントはそんな簡単に教えちゃいけないんだけど。
菊地真
仕方ないか。まず一つ目、その人が今死ぬと世の中に大きな問題や影響を与える場合。
高木社長
なら話は早い!私が死ぬと今の芸能界は大変なことになるよ、間違いない。
菊地真
それで多くの人が後追い自殺したり戦争が起きる可能性は?
高木社長
う、いや。そこまで騒ぎになるほどでは……
菊地真
ならダメだ。二つ目、その人が何か、大きな発明や研究を成し遂げようとしている場合。
高木社長
うーむ、そういうのとは無縁だねえ。
菊地真
じゃあ認められないね。気の毒だけどこれも運命だと思って。
高木社長
そんな。明日だなんてあんまりだよ、アイドル諸君に満足に挨拶も出来やしない……
高木社長
そんな。明日だなんてあんまりだよ、アイドル諸君に満足に挨拶も出来やしない……そうだ!
高木社長
さっき、大きな発明をしている人は例外的に寿命を伸ばせると言ったね?
菊地真
ああ。寿命を伸ばすというより死ぬのを延期するという感じだけどね。
高木社長
あったよ。私はアイドルを生み出すのが仕事だ。それも、ただのアイドルじゃない。
高木社長
これまでに誰も見たことのない、素晴らしいアイドルを世に送り出そうとしているんだ。
菊地真
え?いや、それは発明と呼べるかなあ。
高木社長
素晴らしい発明だよ、多くの人達を励ましたり希望を与えられるんだから。
高木社長
私が今死ねばそれも果たせなくなる。どうだね、これは問題だろう?
菊地真
うーん。その素晴らしいアイドルって、具体的にはどういうのなんだ?それが分からないことには…
高木社長
そうだね…どんな人でもその子を見れば夢中になる、その子のことをもっと知りたくなる。
高木社長
どんな人でもその子を見ていたら自分も頑張ろうと思えるような存在。こういうのはどうかな?
菊地真
どんな人でもって、たとえば言葉が通じなかったり、別の世界の存在であっても?
高木社長
ああもちろん。そんなアイドルが生まれたとしたら世の中は素晴らしくなるよ。そうだろう?
菊地真
うーん……ちょっと曖昧かもだけどまあいいか、認めてあげるよ。
高木社長
本当かね!それじゃあ。
菊地真
ただし。さっきも言ったように、あくまでも死ぬのを延期するだけだ。
菊地真
その素晴らしいアイドルとやらが生まれたら、あなたの命を貰いに来る。いいね?
高木社長
ああ、かまわないとも。そんなアイドルを送り出せたら思い残すことはないよ。
菊地真
よし、じゃあ契約成立だ。この契約は必ず守るように。あと、破棄も出来ないからね。
高木社長
もちろんだとも!それじゃあ私はまだ死ななくていいんだね?
菊地真
ああ。けど、契約を守っていないと判断したらまた会いに来るから。
高木社長
分かった、気をつけるよ。じゃあ、これで一旦お別れかな?
菊地真
ああ。しつこいけれどくれぐれも契約は守ること。いつでも見ていることを忘れるなよ、それじゃ。
高木社長
お疲れさま……
高木社長
お疲れさま……うん?
高木社長
お疲れさま……うん?
高木社長
お疲れさま……うん?
……
高木社長
お疲れさま……うん?
……消えた。
高木社長
夢、だったのか?いや、それにしてはやけにリアルだったね……