篠宮可憐
(だ、大丈夫、大丈夫。私はできる……私は……)
ﾌﾟﾛﾃﾞｭｰｻｰ
可憐、そろそろ出番……
篠宮可憐
ひゃわぁっ!?
ﾌﾟﾛﾃﾞｭｰｻｰ
うおっ!?びっくりした……。すまん、集中してたんだな。
篠宮可憐
い、いえ!いつまで経っても緊張する私が悪いんです……!
ﾌﾟﾛﾃﾞｭｰｻｰ
ステージ前は誰だって緊張するさ。どれだけ場数を踏んだ人間でもな。
篠宮可憐
私、時々思うんです。
篠宮可憐
私はあの時から、少しでも成長しているのかなって……。
篠宮可憐
その……ちょっとだけですけど、歌も上手くなりました。ダンスも踊れるようになりました。
篠宮可憐
でも内面は……憶病で弱気で人見知りな私自身は何も変わっていないんです。
ﾌﾟﾛﾃﾞｭｰｻｰ
可憐……。
篠宮可憐
まるで仮面のように、外面だけ着飾って弱い私を隠しているみたいで……。
ﾌﾟﾛﾃﾞｭｰｻｰ
……確かに、人の内面はそんな簡単に変わるものじゃない。
篠宮可憐
……はい。
ﾌﾟﾛﾃﾞｭｰｻｰ
でも、それでいいんじゃないか?
篠宮可憐
えっ……?
ﾌﾟﾛﾃﾞｭｰｻｰ
可憐は仮面って言ったけど、歌もダンスも上達したのは他でもない可憐自身だ。
ﾌﾟﾛﾃﾞｭｰｻｰ
俺はそれを仮面だなんて思わないし、可憐の言う弱さだって弱さだと思ってない。
篠宮可憐
ええっ……?で、でも、憶病なのは弱さ……ですよね……?
ﾌﾟﾛﾃﾞｭｰｻｰ
ファンのみんなが可憐のステージを見てなんて言ってるか知ってるか?
篠宮可憐
え、えっと、その……か、可愛い、とかでしょうか……?
ﾌﾟﾛﾃﾞｭｰｻｰ
もちろんそれもあるが……「勇気をもらえた」っていうのが多いんだ。
篠宮可憐
勇気……?
ﾌﾟﾛﾃﾞｭｰｻｰ
憶病でも、一歩踏み出したい。そんな可憐の勇気がみんなに伝わっているんだ。
ﾌﾟﾛﾃﾞｭｰｻｰ
だったらその憶病さだって……アイドル篠宮可憐の立派な強みだろう?
篠宮可憐
プロデューサーさん……。
ﾌﾟﾛﾃﾞｭｰｻｰ
変わりたい、強くなりたいと思うことは悪いことじゃない。
ﾌﾟﾛﾃﾞｭｰｻｰ
だけど、それに囚われて自分を見失っちゃいけない。
ﾌﾟﾛﾃﾞｭｰｻｰ
それこそ、仮面を被ることになるからな。
ﾌﾟﾛﾃﾞｭｰｻｰ
だから別の誰かになるんじゃなくて、可憐は可憐のままで変わって欲しい。
ﾌﾟﾛﾃﾞｭｰｻｰ
……って、無茶苦茶なこと言ってるかな、俺。
篠宮可憐
い、いえ!そんなこと……!
篠宮可憐
あ、ありがとうございます。励ましてもらって……。
篠宮可憐
今の私を、認めてくれて……。
篠宮可憐
憶病な私でも、いいんですよね……?
ﾌﾟﾛﾃﾞｭｰｻｰ
ああ、一歩踏み出す勇気が変わらずあるなら。
篠宮可憐
もし、私が踏み出せなくなったら……。
ﾌﾟﾛﾃﾞｭｰｻｰ
その時は俺や劇場のみんなが支えて、背中を押すよ。
篠宮可憐
……ありがとうございます。それなら……踏み出せます……。
ﾌﾟﾛﾃﾞｭｰｻｰ
……そろそろ出番だな。可憐、準備はいいか?
篠宮可憐
はい……!いけます……!
ﾌﾟﾛﾃﾞｭｰｻｰ
よし、いってこい!
篠宮可憐
(私は憶病で、弱気で、人見知りで)
篠宮可憐
(でも、応援してくれるファンの皆さんがいるから……)
篠宮可憐
(一緒に頑張っている仲間がいるから……)
篠宮可憐
(そして何より、いつも隣で支えてくれるあなたがいるから……)
篠宮可憐
(私は、踏み出せます!)
(台詞数: 47)