北沢志保
「お疲れ様でした。また明日よろしくお願いします」
北沢志保
いつも通り帰り際に挨拶をし、私は家へと帰ってきた。
北沢志保
「はぁ…」
北沢志保
自分の部屋へ戻った私は小さくため息をつき、少し伸びをした。
北沢志保
「ん…んん…」
北沢志保
『やっと解放されたわね』
北沢志保
そう軽く呟き、私は誰にも見えない…私でさえ見えない心の仮面をそっと外す。
北沢志保
『ただいま』
北沢志保
『ねぇ、聞いてくれる?』
北沢志保
私はお気に入りのぬいぐるみに話しかける。
北沢志保
嬉しかったこと。楽しかったこと。イライラしたこと。
北沢志保
今日の出来事を全てぬいぐるみに話すのが私の日課だ
北沢志保
そうして全てを話し終えると…
北沢志保
私は酷い罪悪感に苛まれ、胸を押し潰される気持ちになる。
北沢志保
『いつまで隠し続ければいいんだろう…』
北沢志保
私には”さんにん”の私が存在する。
北沢志保
「アイドル」としての私。
北沢志保
【何気ない普通の女の子】としての私。そして…
北沢志保
『私しか知らない』私。
北沢志保
決して知られてはならない私だけの秘密の私。
北沢志保
その秘密の私が私を苦しめる。
北沢志保
この苦しみから逃れる為にはいっそのこと…
北沢志保
いいえ。それだけは決して許されない。
北沢志保
だから私はこの胸の苦しみに耐えながら、明日も仮面を着ける
北沢志保
偽りという名の仮面…本当の私を包み込みながら私は私を演じるの…
北沢志保
この苦しみから解放されることは…決して訪れないのだから…。
北沢志保
《数日後、偽りの仮面とやらがあっさりバレることになるとはこの時はまだ…知らないのであった》
(台詞数: 27)