野々原茜
くそっ、離せ、離せったら!
二階堂千鶴
おやかましいですわよ、いい加減諦めなさいな。大丈夫、すぐ楽になりますからね。
野々原茜
うう、やだよ〜。誰かー!
二階堂千鶴
おーっほっほっ!さあ覚悟なさいな、残念ながら誰も来ませんわ……
秋月律子
ところがそうじゃないのよね、これが!
二階堂千鶴
がはっ!?な、何?
野々原茜
律子先生!?
二階堂千鶴
ば、馬鹿な。あなたはあの時たしかに海に突き落としたはず……
秋月律子
おあいにくさま。私はね、出来の悪い生徒をほったらかして一人で死ぬほどあきらめが良くないの。
秋月律子
何とか助かって、隠れてあなたを見張らせてもらっていたわ。茜?もう大丈夫だからね。
野々原茜
先生……!
二階堂千鶴
お、おのれ。よくもわたくしの邪魔を!
秋月律子
もう観念なさい、この島は警察に包囲されてるわ。無線機が無くなったこと、変に思わなかった?
二階堂千鶴
ぐっ。おのれ、まさかこんな形で……
野々原茜
……うわ〜ん!良かった、本当に良かったよ〜!
秋月律子
よしよし、もう泣かないの。ごめんね?怖い思いさせちゃって。
野々原茜
ぐすっ。う、うん。茜ちゃんの心の広さに免じて許してあげるよ!
秋月律子
はいはい、調子いいんだから。さ、帰るわよ?エレナが船で待ってるわ。
野々原茜
エレナも無事だったの!?良かった……あ、ところでさ。
秋月律子
ん?
野々原茜
先生、一体どこにいたの。ずっと隠れてたわけじゃないよね?
秋月律子
ああ、分からないように変装してたからね。
野々原茜
変装?でも、それらしい人影とか全然見なかったけど。
秋月律子
人じゃないわ、この島は人がいないもの、そんなことしたらすぐバレちゃうでしょ。
秋月律子
だから、木に変装して島の森の中に隠れてたってわけ。
野々原茜
あ〜なるほどね、それじゃ気づかないのも無理ないや。そっか、木に化けてたのかぁ……
野々原茜
……木?
秋月律子
木。
(台詞数: 28)