そこに気付いてしまいましたか…
脚本家
遠江守(えんしゅう)P
投稿日時
2020-04-09 20:13:58

脚本家コメント
仕掛け人さまは閲覧注意。
もし、このお話を読んで異議のある仕掛け人さまは、仕掛け人さまが思う可愛いエミリーのドラマシアターを書くと私が喜びます。

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ジュリア
あ~、もう真っ暗じゃないか。
家に着く前に忘れ物に気付いてたらなあ。
ジュリア
あれ…?
物置から明かりが漏れてる…。
こんな時間に誰かいるのか?
エミリー
ふふっ…。
これで準備万端ですね。
ジュリア
あれは、エミリーとヒメか…?
ジュリア
いや、エミリーは本物だけど、ヒメの方は…同じくらいの体格のマネキンだな。
ジュリア
わざわざ銀髪のかつらを被せてヒメに似せているようだけど、いったい何を…?
エミリー
ふぁぁぁ~!貴音さまの後ろ髪に頭を突っこんでスンスンするのたまらないでしゅ~!
ジュリア
……。
ジュリア
忘れ物を取りに戻ったら、仲間のロックな性癖を目の当たりにしてしまった…。
エミリー
…誰ですか?
ジュリア
ヤバい。
呆然として隠れるのを忘れてたぜ。
エミリー
ジュリアさん!?
ど、どうしてここに…。
エミリー
…いえ、今更そんなことは問題ではありませんか。
エミリー
見ましたね?
ジュリア
オーケー。落ち着け、エミリー。
ジュリア
あたしは誰がどんな趣味を持ってたって気にしないし、他人にべらべらしゃべることもしない。
ジュリア
ここはお互い穏便に見なかったことにしようぜ?
エミリー
……。
ジュリア
……。
ジュリア
…今だ!
エミリー
バリツ!
ジュリア
なに…!
ぐはっ!!
エミリー
ふふっ…。
私の闘気を感じ取ったのはお見事ですが、まだまだ甘いですね。
エミリー
どうして英国人の私が、東洋武術「バリツ」を極めていないと思ったんですか?
ジュリア
くっ…体が動かねえ…。
あたしをどうするつもりだ!
エミリー
それは、ジュリアさんが仰っていたように、穏便に済ませるつもりですよ。
ジュリア
おい、ちょっと待て!
その注射器は…!
エミリー
穏便に…英国秘密情報部(MI6)御用達の、この秘密のおくすりで忘れてもらいますので。
エミリー
…おやすみなさい、ジュリアさん。
ジュリア
……。
ジュリア
…っていう夢を見たんだけど。
エミリー
Oh…!
なんというか、荒唐無稽な夢ですね…。
ジュリア
ホント、そうだよな。
エミリーがそんなことするわけないのに。
ジュリア
マネキンとか、東洋武術とか、注射器で薬を打たれるとか、何でそんな夢を見ちゃったんだか。
ジュリア
…あれ?どうして、あたしはバリツとか英国秘密情報部とか、そんな言葉を知ってるんだ?
エミリー
…そこに気付いてしまいましたか。
エミリー
バリツ!!
ジュリア
ぐはっ!!
な、何を…?
エミリー
ちょっとおくすりの効き目が足りなかったようですね…。
エミリー
大丈夫ですよ。今度はしっかりやりますから。
エミリー
…おやすみなさい、ジュリアさん。
ジュリア
……。
ジュリア
…っていう夢を見たんだよ。
エミリー
まあ…。
それはなんというか、荒唐無稽な夢ですね…。
ジュリア
ははっ。そうだな。
エミリーがそんなことするわけないのにな。
ジュリア
細かい部分はぼんやりとしてて、あんまりリアリティのある夢じゃなかったし。
ジュリア
まあ、夢ってそんなもんだよな~。
エミリー
ふふっ。そうですね…。
エミリー

(台詞数: 49)