二階堂千鶴
風花、次の全国大会に向けての準備は出来ておりますの?
豊川風花
はい、お母さん。今年も連覇に向けて万全の体制を整えて……
二階堂千鶴
コーチと呼べと言ったはずです。今この場にあなたの母親はいませんわ。
豊川風花
ご、ごめんなさ…じゃなかった、申し訳ありませんでした。
二階堂千鶴
まったく情けない。あなたをキャプテンに指名した自分が恥ずかしいですわ。
豊川風花
……
二階堂千鶴
いいですこと。あなたは超ビーチバレー部の名門、帝花女学院のキングなのです。
二階堂千鶴
そしていずれ、誇り高きセレブの称号を受け継ぐ身。不甲斐ない言動は許しませんわ。
豊川風花
はい、コーチ……
二階堂千鶴
まあいいでしょう。それで?あなたのペアとは別に出場するチームは誰を考えていますの。
豊川風花
はい。1人はほぼ決定していて今、部室の外に待たせています。
二階堂千鶴
ふむ。ではどんな子か見せてもらうとしましょうか。入ってくるよう言いなさい。
豊川風花
分かりました。ロコ、来なさい?
ロコ
はい、キング。
二階堂千鶴
!?
豊川風花
紹介します。帝花女学院超ビーチバレー部二年生のロコです……コーチ?
二階堂千鶴
な、なんでもありませんわ。えっと、それは本名なんですの?
ロコ
はい!でも、ロコはプチキングというニックネームをキングからプレゼントされたんですよ。
二階堂千鶴
そ、そう。ええっと。はじめまして、わたくしは千鶴。このチームの臨時コーチですわ。
ロコ
もちろん知ってます。超ビーチバレー界のスーパースター、キングママですよね!
二階堂千鶴
き、キングママ?
ロコ
え、だってキングのママなんでしょう?
二階堂千鶴
……
豊川風花
ろ、ロコ。コーチに向かって無礼は許さないわよ。帝花の一員にふさわしい振る舞いを……
二階堂千鶴
およしなさい風花、わたくしがあなたのママなのは事実でしょう。
豊川風花
え?いやでもさっき、ここにいる時は母娘ではないって……ママ?
ロコ
ふっふーん。キングママに会えるなんて感激です。帝花に来て良かった。
豊川風花
こ、こら!あのねロコ、コーチはそういうおべっかは大嫌いなの。言ったでしょう……
二階堂千鶴
ま、まあいいでしょう。褒められるのはもう慣れっこですし気にしてませんわ。
豊川風花
……なんか、すごくニヤけてません?
二階堂千鶴
何を言っているのです。それでコロちゃん、あなたはどんな子とペアを組みたいんですの。
ロコ
はい!ロコはキングにも負けないマーベラスでグレートなペアを……
ロコ
キングママ、ロコはコロじゃなくてロコですよ?
二階堂千鶴
いいではありませんの。あなたはコロコロと走り回ってる雰囲気があるんですもの。
ロコ
そ、そうですか。コロ……
二階堂千鶴
ふふ、お気に召しまして?
ロコ
え、ええっと。はい……
豊川風花
コーチ?どうしてロコの頭を撫でてるんですか?
二階堂千鶴
お黙りなさい風花。まさかコーチのわたくしが信用出来ないとでも?
豊川風花
はあ、そうですか……
二階堂千鶴
それでは打ち合わせを始めましょうか。コロちゃんにふさわしい指導方法を話し合いませんとね。
ロコ
はい!サンクスですキングママ!
ロコ
……あの。どうしてロコは、キングママの膝の上に座っているんでしょうか?
二階堂千鶴
……まあこんなものでしょう。それでは明日より指導を開始します。よろしくね、コロちゃん?
ロコ
はい。失礼します……
二階堂千鶴
気を付けて帰るんですのよ……ふふっ。明日から楽しくなりそうですわね……
豊川風花
……
二階堂千鶴
な、なんですその目は。わたくしのことを信じないつもりですの?
豊川風花
いえ別に。よろしくお願いします、コーチ……
二階堂千鶴
ならよろしい。ああ風花、一ついいかしら。
豊川風花
なんですか、コーチ?
二階堂千鶴
これからはコーチじゃなくてママと呼びなさい。いいわね?
豊川風花
……
(台詞数: 53)