木下ひなた
どうしてもこの食堂を続けるって言うんだねえ
周防桃子
お父さんがずっと守ってきたこのお店、絶対に潰させないんだから!!
木下ひなた
そうかい、そこまで言うなら仕方ないねえ、こったらことは、本当はしたくなかったんだけども………
周防桃子
な、なに?この人たちっ!?
木下ひなた
なあに、ただのお客さんさ。良かったねえ、大繁盛だよ
木下ひなた
ただ、ずいぶんとお腹すかせてるみたいだから、もし注文が出てくるのが遅かったりしたら
木下ひなた
我慢できなくて、ちょびっとばかし、暴れちゃうかもしれないねえ
木下ひなた
注文は餃子80人前だよお、さあどうするべさ?
周防桃子
そ、そんな……こんな人数を一度にだなんて………うぅ…お父さん…
ジュリア
話は気かせてもらったよ!
木下ひなた
誰だいあんた!?
周防桃子
あなたは!昨日お腹をすかせてお店の前で倒れていたところを、ご飯を食べさせて助けてあげた人!
ジュリア
昨日は本当に助かったよ。お嬢に助けてもらえなきゃ、あのまま行き倒れになるとこだったぜ
ジュリア
捨てる皮あれば拾う皮あり とはこのことだなって思ったよ
ジュリア
そして、お礼のひとつでもと思って再び訪ねてみれば、なんとも騒がしいことになってるじゃないか
ジュリア
実は、餃子には心得があるんだ!この勝負、いっちょあたしに包ませてくれやしないか?
木下ひなた
いいのかいお嬢さん?こんなどこの皮の餡とも分からないやつにこの場をまかせて
周防桃子
組長さんの言う通り、酢醤油派かもポン酢派かも分からない人だけど
周防桃子
今は、餃子の耳をも掴みたい状況
周防桃子
………お願い、します
ジュリア
よし来た!さっそく調理場、借りるぜ!
周防桃子
えっと調理場はその奥のって、聞かずに行っちゃったよ………………大丈夫かな………?
木下ひなた
さてと
木下ひなた
変な客はどこかに行ったし、さっそく暴れるとするかねえ
周防桃子
そんなっ!?話が違うよ!!
木下ひなた
何言ってんだべ?お腹がすいて、我慢できなくなったらって、ちゃーんと言ったよお
周防桃子
そ、そんなぁ
ジュリア
できたぜ
木下ひなた
な、んだらバカな!?
ジュリア
どうしたんだい、餃子に皮を包まれたような顔して、ほら、注文通り80人前だぜ
周防桃子
す、凄い、あの短時間で……
木下ひなた
ちゃんと作ったのかい?食べて中が生焼けとかだったら、無効だよお?
ジュリア
おう、そんときはあたしを焼き餃子にするなり水餃子にするなり好きにしてくれ
木下ひなた
ふん……ほら、みんな、食べてやりな
ジュリア
ふぃー、しかし80人前はさすがに疲れたぜ、汗だくだよ……ちょっと上着脱がせてもらうぜ
周防桃子
………!!??背中にドラゴン餃子の刺青!!!!
木下ひなた
ドラゴン餃子の刺青だって!!?
木下ひなた
まさかあんた、敵対するものを次々と病院送りにしたという、伝説の………
木下ひなた
しまった!!お前たち!!今すぐ食べるのをやめるんだよ!!
周防桃子
あれ?食べた人がみんなお腹おさえてる………
木下ひなた
まったく、とんだ用心棒がついたもんだよお
木下ひなた
今日のところは撤退するよ!!
周防桃子
………帰っていった
周防桃子
やった!!ありがとう!!
ジュリア
なあに、一皮一餡の恩を返したまでさ
ジュリア
まあ、お嬢に恩があるのももちろんだけど、実は昔、親父さんにも随分と世話になったんだ
ジュリア
こうやって再び繋がれたのも何かの縁だ。あたしに、この食堂を手伝わせてくれよ。
周防桃子
調理以外ならいいよ!
ジュリア
まいったなあ「餃子の皮は餃子」とはよく言ったもんだな、その返し、親父さんそっくりだよ
ジュリア
▶▶▷gyo za continued
(台詞数: 50)