プロデューサー
赤ん坊「おぎゃあ!おぎゃあ!」
木下ひなた
全く、敵わないねぇ
双海亜美
親分、どうするでがんすごんす?黙らせるでがんすごんす?
木下ひなた
おめえさんが出るまででもないよ。あたしに任せときな
双海亜美
へぇ、がんすごんす
木下ひなた
なあ、あんた。バスの中をなんだと思ってるんだい?
プロデューサー
赤ん坊「おぎゃあ!おぎゃあ!」
木下ひなた
おめえに言ってるんだよ、この小童が
プロデューサー
赤ん坊「おぎゃあ!おぎゃあ!」
木下ひなた
小童にしちゃいいスーツ着てるじゃないか。せっかくだし教えておいてやるよ
木下ひなた
赤ん坊は泣くのが仕事なんだよ
木下ひなた
それをさっきから黙って聞いてりゃ「うるせえ」だの「常識を守れだの」
木下ひなた
どこの会社のお偉いさんだか知らねぇが
木下ひなた
この町で木下ぐみの名前を知らないモグリじゃないっしょや?
木下ひなた
なんなら赤ん坊の泣き声なんて聞こえないくらいに歌でも歌ってやろうかい?
木下ひなた
「うるせえ」でもなんでもあたしに好きに言うといいよぉ
木下ひなた
いくらでも相手になってやる
中谷育
そこまでです
木下ひなた
おや、何か用かい?お嬢さん
中谷育
少し助言と忠告を
中谷育
刑法における軽犯罪法において、確かに公共交通機関に関するものがあります
中谷育
公共の場所において多数の人に対して迷惑をかけてはならない
木下ひなた
ほぉ・・・
中谷育
今ならあなたの行為はまだ軽犯罪法で済みます。ですがこれ以上の恫喝は
中谷育
脅迫罪、強要罪、威力業務妨害に抵触する恐れがあります
木下ひなた
中々度胸のあるお嬢さんだ。ヤクザ相手に喧嘩売ろうってのかい?
中谷育
いいえ。ただやさしくしてあげてほしいんです
中谷育
相手は赤ちゃんの声が粗野で乱暴に聞こえる小物なんですから
中谷育
申し遅れました。弁護士の中谷と言います
中谷育
怖かったですよね。赤ちゃんの声
中谷育
安心してください。赤ん坊の泣き声から市民を守る
中谷育
そのための六法全書です
中谷育
ああ、行っちゃった・・・
木下ひなた
・・・・・・
中谷育
おかしいな、力になるって言ったのに
木下ひなた
驚いたね、弁護士の先生かい
木下ひなた
道理で、度胸がある上に賢いわけだ。合点がいったよ
中谷育
そんな。ヤクザの親分さんに比べたら、まだまだです
木下ひなた
・・・・・・弁護士か
木下ひなた
こんないい子とは、仕事で会いたくないねぇ
木下ひなた
『血で血を洗い、己の仁義に命をかける極道と』
中谷育
『法をその手に秩序と弱者を守る弁護士の激闘』
木下ひなた
『果たして二人は、出会うべきだったのか・・・』
中谷育
『そして何より』
木下ひなた
『赤ん坊を泣き止ませることができるのか・・・』
木下ひなた
ほ~ら、いないいな~い
中谷育
ばぁ~
双海亜美
~おしまい!~
(台詞数: 48)