秋月律子
歌織さん、今日の収録ありがとうございました。
桜守歌織
気にしないで。困ったときはお構い様よ♪
秋月律子
それにしても流石、音楽の先生をしていた経歴の持ち主ですね。
秋月律子
歌織先生って、子供たちに大人気だったじゃないですか♪
桜守歌織
もう、律子ちゃんってば……。それはきっと、私が子供っぽいからだから。
秋月律子
親しみやすいということは、アイドルとしての重要な武器の一つですよ。
秋月律子
それに引き換え私ときたら、いざ子供たちと対面すると何もできなくて……。
秋月律子
それどころか開口一番『おにぐんそう』ってどういうことよ!
桜守歌織
あはは……。まるで亜美ちゃんたちみたいな子だったわね。
秋月律子
絶対あの二人の影響受けてるわよね。他所の子だから怒るに怒れないし。
桜守歌織
でも、最後はちゃんと歌のお姉さんになってたわよ。ね、律子先生?
秋月律子
もうっ、茶化さないでくださいっ。
秋月律子
子どもたちの何人かは先生と言うより教導官みたいな扱いしてきてましたけどね!
秋月律子
……私も、もう少し人当たりを柔らかくした方が良いのかしら。
桜守歌織
私は、しっかり者の律子ちゃんが好きよ?
秋月律子
あはは、ありがとうございます。
桜守歌織
……というより、いつもしっかりしてる律子ちゃんが羨ましいって思うの。
秋月律子
歌織さん……?
桜守歌織
私は、この年になってもプロデューサーさんやみんなに手を引いてもらわないと……。
桜守歌織
ちゃんと、アイドルとしての道を歩けないから。
桜守歌織
だから、ちゃんとした目標や意思を持ってアイドルをしてる律子ちゃんが羨ましいの。
秋月律子
歌織さん……。
秋月律子
私だって、芯がしっかりとしてるわけじゃないですよ?
桜守歌織
えっ?
秋月律子
周りに自由人がに多すぎるから、自然としっかり者のポジションに立っちゃってるわけで。
秋月律子
目標を立てているのは、自分に自信が無いからです。
秋月律子
目標を立てて、そこに向かって動いていないと、すぐにぶれてしまいそうだから。
秋月律子
だから、私は歌織さんが思っているほど超人ってわけじゃないんですよ?
秋月律子
現に、今日の収録を思い返してもらえば火を見るよりも明らかじゃないですか?
桜守歌織
律子ちゃん……。
秋月律子
だから私は、歌織さんみたいな親しみやすさと包容力が羨ましいです。
秋月律子
と言うことで、重苦しい話はお終いにしませんか?
秋月律子
プロデューサーが、今日は仕事が終わったら早く劇場に戻ってくるように言っていましたし。
桜守歌織
今日は、律子ちゃんの誕生日パーティだから♪みんな張り切って準備していたわ。
秋月律子
張り切って……ですか。祝ってもらえるのは嬉しいですけど、張り切るって怖い言葉が……。
桜守歌織
特に亜美ちゃんと真美ちゃんが……。
桜守歌織
特に亜美ちゃんと真美ちゃんが……あっ。
秋月律子
……今聞き捨てならない名前が聞こえたんですけど。歌織さん?
桜守歌織
……ら、ら~♪
秋月律子
綺麗な発声練習で誤魔化さないでください!というか誤魔化すの下手ですね!!
秋月律子
……はぁ。これは腹をくくるしかないか。
桜守歌織
あの……律子ちゃん?あんまり亜美ちゃんと真美ちゃんを叱らないでね?
桜守歌織
あの子たちも律子ちゃんのためを思っての事だから。
秋月律子
歌織さん……。
秋月律子
そうですね。歌織さんの言葉を信じて、あの二人を信じてみます。
秋月律子
その代わり、あまりにも目に余る行動だった場合は……ね?
桜守歌織
(い、今すぐ作業を止めて、亜美ちゃん真美ちゃん!!)
(台詞数: 47)