アイスクリームは一つまで!
脚本家
ひろ
投稿日時
2020-11-30 05:05:00

脚本家コメント
ドラマシアター武闘会 第2回日常杯
決勝参加作

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野々原茜
『やだやだやだ!
あかねちゃんのアイスー!!!』
野々原茜
『あかねちゃん、おなかなんてこわさないもん!!』
野々原茜
『だから、ね?
もういっこ、ううん、にこ・・・』
野々原茜
『・・・うー!!』
野々原茜
『ママのバカっ!!
しらないっ!!!』
野々原茜
――茜ちゃんが、まだまだちっちゃな茜ちゃんだった頃。
野々原茜
大好物は、冷たくて、甘くて、口の中で魔法みたいに溶けていくアイスクリーム。
野々原茜
でも、ママは一つしか食べさせてくれなかった。
野々原茜
他のいろんなワガママは許してくれたのに。
それだけは、許してくれなくて。
野々原茜
ママはイジワルだって。
そう思ってたっけ。
野々原茜
でも、ある時、ママがおっきなプリンを作ってくれて。
野々原茜
これ全部、茜ちゃんのプリンだよ、って。
野々原茜
プリンなら食べていいんだ!!
野々原茜
その時からかな?
茜ちゃんが、アイスで騒ぐこともなくなった。
野々原茜
野々原茜
ちょっとおっきくなった茜ちゃん。
野々原茜
アイドルになって、初めてのお給料・・・の中から渡されたお小遣い。
野々原茜
『茜ちゃんが自分で稼いだお金・・・』
野々原茜
『どんな使い方をしても、茜ちゃんの自由ってことだよね~♪』
野々原茜
『まずはプリンでしょ? それから、インラインスケートもそろそろ新しいの欲しいし・・・』
野々原茜
『それから・・・』
野々原茜
『ニャッ!? アイス、今ならいっぱい食べられるんじゃ・・・?』
野々原茜
『天才! これは天才茜ちゃん!』
野々原茜
いろんな種類のアイスを、いっぱい買ってきて。
食べ放題だー!って、騒いだり。
野々原茜
・・・
野々原茜
『ちょ、ちょーっと食べ過ぎちゃったかも・・・?』
野々原茜
『お、お味噌汁・・・あったかいお味噌汁が飲みたい・・・』
野々原茜
にゃはは
野々原茜
大人しくプリンにしておけば良かったのにねー?
野々原茜
野々原茜
おっきくなった茜ちゃん。
野々原茜
たくさん楽しいことがあって、
野々原茜
でも、たまには辛いこともあって、
野々原茜
でもでも、やっぱり楽しいことで茜ちゃんの毎日は溢れていて!!
野々原茜
・・・大切な人も、見つかっちゃったりして。
野々原茜
何よりも大切な存在を――授かって。
野々原茜
茜ちゃんそっくりの、元気でカワイイ女の子!
野々原茜
ちっちゃな頃の茜ちゃんも、こんな感じだったのかニャ?
野々原茜
・・・ママも、こんな気持ちだったのかなー?
野々原茜
『やだやだやだ!
ひとつじゃたりないー!!』
野々原茜
ほらほら、ワガママ娘が騒ぎ出した。
野々原茜
――大好きだから。
野々原茜
――何よりも、大切だから。
野々原茜
茜ちゃんは・・・ママは、こう言うのだ!
野々原茜
『アイスクリームは一つまで!』
野々原茜
――おっきなプリンを、作りながら

(台詞数: 46)