ジュリア
未成年のあたしには似つかわしくない路地裏のBAR…。
ジュリア
店内のステージの上で1人、道化のように騒ぎ狂う。
ジュリア
歌詞は即興、フレーズなんてあったもんじゃない。
ジュリア
狂ったチューニングのままギターを掻き鳴らしてひたすらに叫ぶ。
ジュリア
滅茶苦茶でも良い…そうでもしないとズタズタになってしまう。
ジュリア
そんな罵声とも呼べる歌に拍手が贈られる。
ジュリア
ハハッ、止めなよ…こんな歌もどきにさ。
ジュリア
お世辞でも慰めでも、今のあたしには堪えるからさ。
ジュリア
ステージを降りてカウンターに向かうと、そこには一杯のホットミルク。
ジュリア
わかってるって。あたしみたいなヒヨッコにはミルクがお似合いなんだろ?
ジュリア
カップに口付けると温かさが喉を通る。
ジュリア
でも、それも一瞬の事。
ジュリア
ステージで火照り、ホットミルクで温まる筈の身体は逆に冷えていく。
ジュリア
そういえば言ってたっけか。
ジュリア
そういえば言ってたっけか。
『ホットミルクは身体を逆に冷やすぞ』って…。
『ホットミルクは身体を逆に冷やすぞ』って…。
ジュリア
あんたに言われた言葉を思い出して、頬の星が滲んで溶ける。
ジュリア
……。
ジュリア
……グスッ…!
ジュリア
…やっぱり、諦めきれないんだな。あたしってば。
ジュリア
…だって、こんなに好きになっちまったもの…しょうがないだろ?
ジュリア
本当、どうしてくれるんだよこの感情を…!
ジュリア
…バカP…!
(台詞数: 22)