篠宮可憐
あ、あの、千鶴さん。
二階堂千鶴
あら、どうかいたしましたの?
篠宮可憐
これ、前に頼まれていた香水です。
二階堂千鶴
まあ!早速買ってきてくださいましたの?ありがとう、可憐。
二階堂千鶴
はい。では、これがお代です。お釣りが出ないように小銭もぴったり用意してありますわ。
篠宮可憐
はい。それで、あ、あの…。
篠宮可憐
本当にこの香水で良かったんですか?お手頃な値段の割に品質が良くて、香りも華やかですけど…。
篠宮可憐
あ、あくまで値段としてはであって、千鶴さんなら高級帯のものが合うと思うんですけど…。
二階堂千鶴
……。
篠宮可憐
…ち、千鶴さん?
二階堂千鶴
可憐。あなたは大切なことを忘れていますわ。
篠宮可憐
えっ…!?
二階堂千鶴
ええ、わたくしはセレブ。その気になれば、どんな高級な香水でもまとうことはできますわ。
二階堂千鶴
でも、同時にわたくしはアイドルですのよ。多くの人から憧れの目で見られる存在ですの。
二階堂千鶴
形だけでも憧れた人に近づきたいと、その人と同じものを身につけるのはよくあることですわ。
二階堂千鶴
もし、わたくしが高級品ばかりを身に着けていたら、わたくしに憧れる方々はどうなりますの?
二階堂千鶴
手が届かないと諦めたり、無理して財布に響いたり…。そんな悲しい思いはさせられませんわ。
篠宮可憐
す、すごいです、千鶴さん…!ファンのことを、そこまで考えているなんて…!
篠宮可憐
今までもそうでしたけど、千鶴さんのこと、ますます尊敬しました!
二階堂千鶴
ふふっ、ありがとう。
二階堂千鶴
…では、わたくしはそろそろお暇いたしますわ。午後のレッスンがありますので。
篠宮可憐
はい…!また良い香水があったらおすすめしますね…!
二階堂千鶴
ええ。その時は、よろしくお願いいたしますわ。
二階堂千鶴
……。
二階堂千鶴
ふう…。なんとかしのぎきりましたわ。我ながら、奇跡的な口の回転でしたわね。
二階堂千鶴
可憐のような本物を知ってる子は、やはり怖いですわね。ヒヤッとしましたわ。
二階堂千鶴
香水くらい自分で選べば、いちいちこんなリスクを背負わなくてもいい。何度そう思ったことか…。
二階堂千鶴
でも、あの子のお勧めする香水、良いものばかりでハズレがひとつも無いんですもの…!
二階堂千鶴
少しお高めでも、結果としてリーズナブル!もう可憐抜きでは香水を選ぶ勇気がありませんわ…。
二階堂千鶴
はあ…。また次の時の言い訳を考えておかないといけませんわね…。
(台詞数: 30)