二階堂千鶴
志保、お誕生日おめでとうございますわ。はいこれプレゼント。
北沢志保
ありがとうございます。
二階堂千鶴
けどこちらにいるとは思いませんでしたわ、劇場をあちこち探しましたわよ?
北沢志保
すみません、ご迷惑をおかけして。
二階堂千鶴
わたくしはかまいませんけどね、何しろここには…
三浦あずさ
よかった~志保ちゃん、劇場じゃなくて事務所に来てたのね。今日はもう会えないんじゃないかと
北沢志保
あ。本当にすみません。お二人だけじゃなくて、他の皆さんにも。
三浦あずさ
はい、プレゼント。何かこっちに用事でもあったの?
北沢志保
そうじゃないんですけど、劇場だとちょっと、その。
二階堂千鶴
ははあ。さては、静香かプロデューサーあたりと喧嘩でもしたんですのね?
北沢志保
違います、そもそもあの二人今日は劇場じゃなくて外で仕事ですから。
三浦あずさ
じゃあどうして?
北沢志保
それは、その。
二階堂千鶴
言いづらいなら無理には聞きませんわ、けどあなたも言ったようにまた探す人がいるかもですわよ?
北沢志保
…皆さんには内緒にしておいてもらえますか?
三浦あずさ
ええ。志保ちゃんがそうして欲しいならね。
北沢志保
その。今日はバースデーライブをやったわけなんですが。
二階堂千鶴
関係者席で見てましたわよ、いい公演でしたわ。
北沢志保
ありがとうございます。公演のメンバー、煌輝座の皆さんでしたよね?
三浦あずさ
志保ちゃんの最新の公演だったものね。劇じゃなくて歌だけだったけど。
北沢志保
はい。それで、始まる前も終わった後も、メンバーの皆さんがすっかり役になりきっていて。
北沢志保
私のことはアシュリーでお互いをオスカーにハーヴェイ、アリエルと呼びあっていて。
二階堂千鶴
ありますわね。わたくしも夜想令嬢の時は伊織を完全に妹として扱ってましたわ。
三浦あずさ
ちょっと羨ましいわね。私は正義の味方のリーダーとか悪の幹部だから、逆にあんまり…
北沢志保
私も分からなくはありません。でもちょっと、ひどくないですか?
二階堂千鶴
何がですの?
北沢志保
だって、今日は私の誕生日なんですよ。それなのに、皆私をアシュリーって…
二階堂千鶴
…
三浦あずさ
…
北沢志保
それでまあ、つい逃げてしまったんです。すみません、子供じみた振る舞いでした。
二階堂千鶴
いえ、いいんですのよ。それは拗ねて当然ですわ。
三浦あずさ
それは歌織ちゃん達がよくないわね…そうだ、代わりに私とお出かけしましょうか。
北沢志保
え?
二階堂千鶴
あ、ずるいですわよあずさ。歌織さんの演技はわたくしが指導しましたし、ここはわたくしが。
三浦あずさ
千鶴ちゃんは伊織ちゃんが妹だって言ったじゃない。だからここは私が。
二階堂千鶴
それはあの時の話ですわ!志保、わたくしと出かけましょう、美味しいものをご馳走しますわ。
北沢志保
あの、えっと?
三浦あずさ
私、志保ちゃんに似合う服を選んであげたかったのよね〜。それに、弟さんのお土産も。
北沢志保
いえその、お二人ともなんでそんなに必死なんですか?
二階堂千鶴
それは、もちろん。
三浦あずさ
志保ちゃんが可愛いからよ。今日はお誕生日だし、私たちにおもてなしさせて?
北沢志保
いや、その…
北沢志保
失礼します!
二階堂千鶴
あ。ちょっと志保、どこに行くんですの?
三浦あずさ
待って志保ちゃん、また探すのは無理よ〜!
北沢志保
はあ。もう、これじゃあアシュリーと同じじゃない。本当に困った人達。
北沢志保
でもまあ…こういうのも、悪くはないかもしれないわね。
(台詞数: 47)