
田中琴葉
【翌日━━━】

田中琴葉
(結局、今日も美奈子ちゃんは来ていない……)

田中琴葉
(でも……たとえ主役がいなくても、私達はしっかりレッスンをこなさないといけない)

田中琴葉
(いけないんだけど……)

宮尾美也
むーん……

田中琴葉
(美也は昨日から何か考え込んでいるみたいだし……)

最上静香
………………

田中琴葉
(静香ちゃんは意気消沈している……千早ちゃんに叱られたのが相当堪えたみたい……)

田中琴葉
(このままじゃ、レッスンなんてとても始められない!私が……)

田中琴葉
(私がしっかりしないと!)

田中琴葉
し、静香ちゃ~ん?

最上静香
千早さん……私のこと嫌いになったでしょうか……

田中琴葉
なってないなってない!大丈夫だから!ね!

宮尾美也
むーん……

田中琴葉
美也はさっきから何を考え込んでいるの!?悩み事!?なら私に話してみて!仲間でしょう!?ね!?

宮尾美也
どうも解せませんな~

田中琴葉
……解せない?何が解せないの?

宮尾美也
琴葉ちゃん、昨日美奈子さんが話していた事、覚えていますか~?

田中琴葉
昨日の話?うん、覚えてるよ。それにあの時、万が一にも聞き逃しがないようにって

田中琴葉
美奈子ちゃんの話をボイスレコーダーに録音したし

田中琴葉
家に帰ってから、その録音を聴きながら大事そうな所をノートにまとめたし

田中琴葉
あっ、そのノート今日持ってきてるんだけど、見る?

宮尾美也
お話だけで結構です~

田中琴葉
そ、そう……

田中琴葉
━━━━━━

宮尾美也
………………

田中琴葉
━━━それで莉子さんが、アイドルの美奈子ちゃんを見る度に苦しくなるって

宮尾美也
そう、そこなんですよ

宮尾美也
どうして莉子さんは、美奈子さんを見る度に苦しくなるんでしょう~?

田中琴葉
それは……アイドルになりたかった莉子さんはオーディションに落ちちゃって

田中琴葉
誘われた美奈子ちゃんは受かってアイドルになったから、それが羨ましいんじゃないかな?

宮尾美也
それなら、“応援する”なんて言葉は出てこないと思うんですよね~

田中琴葉
あっ、そっか……確か、最初は応援するって言ってもらえたんだったよね

宮尾美也
むーん……応援していたのに、途中から苦しくなる……?ずっと見てきた、アイドルの美奈子さんを……

宮尾美也
むーん……

田中琴葉
ね、ねぇ大丈夫?顔赤くなってるよ?考え過ぎは良くないから、冷たい水でも飲んで少し休もう

田中琴葉
あ、それとも私のノート見る?何か分かるかも知れないよ?

宮尾美也
ノートを推してきますな~。それだけ真剣に書き込んだんでしょうね~

田中琴葉
うん、そりゃあ同じ劇場の仲間のためだもん。まとめてからも、自分で何回も読み返したよ

宮尾美也
熱心ですな~

田中琴葉
そんな……褒められる事じゃないよ。私が好きでやってる事だから

宮尾美也
!

宮尾美也
好きでやってる……?

田中琴葉
う、うん……何か変な事言った?

宮尾美也
そういうことでしたか……

田中琴葉
え?え?そういう事って、どういう事?

宮尾美也
むふふ♪美奈子さんを元気にする方法が分かりましたよ~

田中琴葉
え?

宮尾美也
琴葉ちゃん、千早さんは今、プロデューサーさんと一緒にお仕事なんですよね?

田中琴葉
千早ちゃん?うん、そうだよ。プロデューサーは付き添いだけどね

田中琴葉
それがどうかしたの?

宮尾美也
千早さんも、私と同じ事を考えてると思うんです~。なので、千早さんに電話してみましょう~

田中琴葉
う、うん……よく分からないけど……

田中琴葉
う、うん……よく分からないけど……はっ!
(台詞数: 54)