佐竹美奈子
失礼します……
ﾌﾟﾛﾃﾞｭｰｻｰ
お、来てくれたか
ﾌﾟﾛﾃﾞｭｰｻｰ
(美奈子がレッスンを休み出して早3日。そろそろ本格的にマズい所まで来ていた)
ﾌﾟﾛﾃﾞｭｰｻｰ
(何とかして美奈子に元気を取り戻してもらわないとと思い、呼び出したまではいいが……)
佐竹美奈子
その……話があるっていうのは……やっぱり、友達の事ですよね?
ﾌﾟﾛﾃﾞｭｰｻｰ
んー、まぁそうだな。その事なんだが……
ﾌﾟﾛﾃﾞｭｰｻｰ
やっぱり、美奈子がアイドルを辞める必要なんて無いと思うぞ
ﾌﾟﾛﾃﾞｭｰｻｰ
いや、むしろ続けなくちゃダメだ。その友達のためにも、な
佐竹美奈子
友達のためにもって……どういう事ですか?
ﾌﾟﾛﾃﾞｭｰｻｰ
美奈子言ってたよな?その友達が“アイドルの美奈子を見る度に苦しくなる”って
佐竹美奈子
はい……だから、私がアイドルを辞めれば楽になるんじゃないかって……
ﾌﾟﾛﾃﾞｭｰｻｰ
……変だと思わなかったか?
佐竹美奈子
どういう事ですか?
ﾌﾟﾛﾃﾞｭｰｻｰ
苦しくなるなら、何で美奈子を見る事をやめなかったんだろう?
佐竹美奈子
それは………………
佐竹美奈子
それは………………あれ?
ﾌﾟﾛﾃﾞｭｰｻｰ
(そう、その友達……莉子って人は自分で言ってた)
ﾌﾟﾛﾃﾞｭｰｻｰ
(アイドルの美奈子を見る“度”に苦しくなる、と)
ﾌﾟﾛﾃﾞｭｰｻｰ
つまり、友達はずーっと美奈子の事を見てたんだ
ﾌﾟﾛﾃﾞｭｰｻｰ
嫉妬や羨望で心が染まり出した後も、ずっと……
佐竹美奈子
それって……
ﾌﾟﾛﾃﾞｭｰｻｰ
(最も、これは美也からの助言なんだけどな)
ﾌﾟﾛﾃﾞｭｰｻｰ
(わざわざ俺に言わせて……果たして効果はあるのか……)
ﾌﾟﾛﾃﾞｭｰｻｰ
何だかんだ言っても、やっぱり好きなんだろうな。アイドルの事も……
ﾌﾟﾛﾃﾞｭｰｻｰ
美奈子の事も……
佐竹美奈子
っ!
ﾌﾟﾛﾃﾞｭｰｻｰ
それに、美奈子だって本当はアイドルを続ける形で何とかしたいと思ってたんじゃないか?
ﾌﾟﾛﾃﾞｭｰｻｰ
だからレッスン初日のあの日、劇場近くまで来てたんだろう?
佐竹美奈子
………………
佐竹美奈子
流石プロデューサーさん、何でもお見通しなんですね
ﾌﾟﾛﾃﾞｭｰｻｰ
いや、何でもは無理だが……
佐竹美奈子
でも、プロデューサーさんが今言った事、少し違いますね
ﾌﾟﾛﾃﾞｭｰｻｰ
違う?
佐竹美奈子
アイドルを辞めようと思ってたのは本当です。でも、プロデューサーさんの言う通り……
佐竹美奈子
アイドルを続けて、私のパフォーマンスで莉子を元気付けてあげられないか、とも考えてました
ﾌﾟﾛﾃﾞｭｰｻｰ
……出来るさ、美奈子ならきっと……いや、絶対
佐竹美奈子
本当にそう思いますか?今の私が、莉子を元気にしてあげられると思いますか?
ﾌﾟﾛﾃﾞｭｰｻｰ
あぁ、思うよ。39プロジェクトのオーディションを受けた時、美奈子は言ったじゃないか
ﾌﾟﾛﾃﾞｭｰｻｰ
『アイドルを見てると元気が出る。私もみんなを元気にしてあげたい』って
佐竹美奈子
っ!
ﾌﾟﾛﾃﾞｭｰｻｰ
今の自分じゃ無理だと思うなら、もっとレッスンを重ねて、自分を磨くといい
ﾌﾟﾛﾃﾞｭｰｻｰ
美奈子はこんな所で立ち止まるようなアイドルじゃない。もっと伸びると、俺は信じてる
佐竹美奈子
………………
佐竹美奈子
プロデューサーさん、私……もっとアイドル頑張りたいです
佐竹美奈子
頑張って、その姿を莉子に見てもらって、前みたいに応援してもらえるようになりたいです!
ﾌﾟﾛﾃﾞｭｰｻｰ
その言葉を待ってたぞ。なら、まずは明日からのレッスンを頑張らないとな!
ﾌﾟﾛﾃﾞｭｰｻｰ
遅れを取り戻すのはかなり厳しいが……覚悟はできてるか?
佐竹美奈子
はいっ!!
ﾌﾟﾛﾃﾞｭｰｻｰ
(美奈子の目から迷いが消えた。これなら、もう大丈夫だろう)
ﾌﾟﾛﾃﾞｭｰｻｰ
(バラエティ番組の出演、そして定期公演のセンター、楽しみにしてるぞ!)
(台詞数: 50)