アイドルマスター 第2話
BGM
キミがいて夢になる
脚本家
ちゃん@春の日
投稿日時
2017-08-30 22:46:23

脚本家コメント
P名を入力してください。

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※主人公はPにあたる人です。

全15話くらいの予定です。Pにあたる人がメインで出てくるのはちゃんP作品としては原点回帰みたいな感じですが、よかったらお付き合いください。

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天海春香
P「春香っ!!」
天海春香
名前を呼ぶと彼女は「はい」と明るく返事をして頷いた。
天海春香
目覚めた場所は、住み慣れた下宿先の部屋ではなく。
天海春香
見覚えのない公園だ。俺はその公園のベンチに腰を掛け、どうやら寝ていたらしい。
天海春香
今、俺の瞳には春香が直接映っている。
天海春香
可愛さは、画面越しでみるより何倍も増しているように思える。
天海春香
それになにより彼女の笑顔は、いまの俺には眩しかった。
天海春香
「そんなまじまじと見つめられると、照れちゃいます…」
天海春香
「プロデューサーさん…どうかしたんですか?」
天海春香
「あっ、もしかして私の顔に何かついて…」
天海春香
P「夢にしてはやけにリアルだなと思ってな」
天海春香
「夢?」
天海春香
「プロデューサーさんってば、まだ寝ぼけているんですね」
天海春香
それまで不思議そうに首を傾げていた彼女は、俺の顔を覗きこんで笑っていた。
天海春香
P「やめてくれ、そんなまじまじと見つめられたら、緊張するだろ」
天海春香
「さっきの仕返しですよ、プロデューサーさん!えへへ♪」
天海春香
屈託のない彼女の笑顔を見たら、ここにいる疑問や違和感など吹っ飛んでしまった。
天海春香
それより、目が覚めるまでは、この夢のような世界を満喫してやろうと思えた。
天海春香
春香は左腕をくるりと裏返して、腕時計の時間を確認していた。
天海春香
ああ、そういえば、仕事に遅れるとかなんとか言っていたな…
天海春香
パンパン!…両頬を両の掌で軽く叩いて、それっぽく気合いをいれてみる。
天海春香
P「すまん、もう覚めた、春香、そろそろ行くか」
天海春香
「はい!プロデューサーさん!!」
天海春香
春香の声に合わせて勢いよく立ち上がる。そんな俺の様子を春香は窺っている。
天海春香
俺は一歩前に片足を踏み出してから、冷静になってその場で固まった。
天海春香
「プ、プロデューサーさん?」
天海春香
P「それで仕事の場所って…どこにいけばいいんだ?」
天海春香
「えっ、忘れちゃったんですか?」
天海春香
P「ああ、すまん、ついつい…」
天海春香
「えっと、いつも大切に持ち歩いてるスケジュール帳に書いてありませんか?」
天海春香
春香にズボンのポケットを指差され、導かれるようにスケジュール帳を取り出す。
天海春香
スケジュール帳を適当に開くと、そこには予定がみっちりと書きこまれていた。
天海春香
こ、こんな入ってるのか…既に結構人気があるんだな…
天海春香
P「えっと…今日は…」
天海春香
「○月×日ですよ。プロデューサーさん!」
天海春香
春香に促されるように、ページを今日の日付まで捲る。
天海春香
P「ああ、あった…えっと…午後一は商店街でCDの即売会か」
天海春香
「はい、正解です。即売会ですよっ!即売会っ!!」
天海春香
「じゃあ、早速向かいましょう!」
天海春香
P「それで…この商店街にはどうやっていくんだ?」
天海春香
「えっ…あわわわっ…ひゃっ!!」
天海春香
どんがらがっしゃーん!
天海春香
既に歩き始めていた春香は、俺の言葉を聞いて盛大にその場に転げる。
天海春香
「も、もうっ!プロデューサーさ~ん…」
天海春香
「なんだかあずささんみたいになってますよ…わかりましたから、私についてきてください」
天海春香
P「す、すまない」
天海春香
春香は頷くと、歩き出す。歩き出した春香の背中に続いて俺も歩き出す。
天海春香
風が、春香の後ろに続く俺に、ほのかに香る匂いを運んでくる。
天海春香
嗚呼、春香ってこんな匂いがするのか…その匂いに酔ったのか、視界は少しぼやけていたが…
天海春香
春香の後ろ姿だけははっきりと捉えることができる。彼女に導かれるがまま、俺は歩き続けた。

(台詞数: 50)