
萩原雪歩
雪の絨毯を歩く。

萩原雪歩
先は真白。終わりは見えない。

萩原雪歩
振り返れば、たくさんの仲間たち。

萩原雪歩
笑ったり、歌ったり、遊んだり。

萩原雪歩
その光景が愛しくなって、一歩下がる。

萩原雪歩
寒くても暖かな、私の居場所。

萩原雪歩
楽しくて、夢のような。

萩原雪歩
夢のような、私の毎日。

萩原雪歩
────

萩原雪歩
雪の絨毯を歩く。

萩原雪歩
先は真白。終わりは見えない。

萩原雪歩
振り返れば、たくさんの足跡。

萩原雪歩
時には足がもつれて転んでしまう。

萩原雪歩
弱い私は泣いてしまうけれど。

萩原雪歩
差し伸べられた手を握れば笑顔になれる。

萩原雪歩
みんなで手を繋いで並ぶ横一列。

萩原雪歩
せーので進む大きな一歩。

萩原雪歩
そうだ。私にはみんながいる。

萩原雪歩
みんながいるから、歩いていける。

萩原雪歩
────

萩原雪歩
雪の絨毯を歩く。

萩原雪歩
先は真白。終わりは見えない。

萩原雪歩
振り返れば、私が残した足跡。

萩原雪歩
笑って、歌って、遊んだ仲間はもういない。

萩原雪歩
寂しくなんてない。

萩原雪歩
みんなは進むべき方向に進んだだけ。

萩原雪歩
私も同じ。

萩原雪歩
同じだから、寂しくなんてない。

萩原雪歩
ひとつ、ふたつ。

萩原雪歩
ぽつり、ぽつり。

萩原雪歩
雪に落ちる温かい雨。

萩原雪歩
それでも私は歩く。

萩原雪歩
下を向いて、歩き続ける。

萩原雪歩
────

萩原雪歩
雪の絨毯の上で、ひとり佇む。

萩原雪歩
真白の終着は眩ゆい光。

萩原雪歩
その光を背に、悴んだ手を合わせて空へ祈る。

萩原雪歩
望むのは、今までの軌跡とこれからの奇跡。

萩原雪歩
たとえ降雪に足跡を隠されても。

萩原雪歩
また、会えますようにと。

萩原雪歩
強く祈る。祈り続ける。

萩原雪歩
『──雪歩。』

萩原雪歩
ね?

萩原雪歩
信じれば……届くんだよ。

萩原雪歩
──晴れ渡る空の下。

萩原雪歩
雪の絨毯をみんなで歩く。

萩原雪歩
遠く、前を見れば、銀色がお日様に照らされて。

萩原雪歩
キラキラと、祝福するように輝いている。

萩原雪歩
振り返れば──

萩原雪歩
ううん。もう、必要ないよね。
(台詞数: 50)