37000小隊 #6
BGM
Shooting Stars
脚本家
ちゃん@春の日
投稿日時
2016-01-13 11:16:06

脚本家コメント
その少年は、化物の再来と呼ばれるようになる。
黒井戦争時代、黒井帝国側として数々の武勲を挙げ、裏では、処刑人として数々の裏切り者を処刑して暗躍、旧連合側を震撼させたにも関わらず、黒井帝国側が敗戦をする二カ月前に突如姿を消したといわれる、赤い眼をした少年兵。
   『赤目の死神』の再来だと…

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萩原雪歩
身体を駆け巡っていた温もりが消えた時
萩原雪歩
既にミナセ大尉と僕の間には人一人分ほどの距離が空いていた
萩原雪歩
それがボク達を戦場(げんじつ)へと引き戻す
萩原雪歩
シャル「言ったはずです」
萩原雪歩
僕の中にいる冷徹無比の怪物は僕の制止も空しく、口を開く
萩原雪歩
シャル「足手まといになると」
萩原雪歩
ボクは淡々と彼女にそう告げる
水瀬伊織
「そんなことっ!!」
水瀬伊織
「わ、わかってるわよ…」
萩原雪歩
握り拳をつくり、その拳を震わせて、悔しそうに俯くミナセ
萩原雪歩
部下のボクに言い返したい気持ちもあるだろうが…
萩原雪歩
そんなものは、突きつけられた現実と共に受け止めて、飲み込むしかないのだろう
萩原雪歩
シャル「ミナセ大尉は僕に、仲間を信じろと言いました」
萩原雪歩
シャル「なのに僕の事は信じてくれないんですか?」
水瀬伊織
「そ、それは…」
萩原雪歩
シャル「僕も37000小隊の一員です」
萩原雪歩
シャル「僕に兵器工場破壊を任せてください」
萩原雪歩
シャル「独りで、できま…」
水瀬伊織
「ストップ!」
萩原雪歩
大尉は背伸びをすると、僕の口を塞ぐように、立てた人差し指を当ててくる
萩原雪歩
上目使いのミナセと目が合う、彼女はしっかり僕の目線を捉えると、得意気に続ける
水瀬伊織
「私はね、こうとも言ったはずよ」
水瀬伊織
「これは私達、みーんなの任務だってね」
水瀬伊織
「少尉の言いたい事は十分わかったわ」
水瀬伊織
「ラビット少尉!」
水瀬伊織
「貴方を信じて、兵器工場破壊の任務遂行は任せることにしたわ」
水瀬伊織
「けど、私達も一緒よ!」
萩原雪歩
シャル「意味が…わかりません」
水瀬伊織
「あんた、結構鈍いのね」
水瀬伊織
「だーから、あんた一人で前線を上げてもいいけど」
水瀬伊織
「私達、皆であんたのことを後方からバックアップさせなさい!」
水瀬伊織
「それが条件よ、にひひ♪」
萩原雪歩
「僕を信じろって大口叩くくらいなんですから、当然、私達の事も信じてくれますよね?」
萩原雪歩
後ろから37000小隊の一員を引き連れてきたハギワラ中尉が横やりを入れて微笑む
水瀬伊織
「どうかしら?」
萩原雪歩
コクリ…
萩原雪歩
無言で頷く僕を確認すると、二人は視線を送り合ってまた微笑む
水瀬伊織
「わかりました、それじゃ、気を付けて行ってきなさい」
水瀬伊織
「犬死になんてしたら、絶対に許さないんだから」
萩原雪歩
「少尉なら、きっと大丈夫。だって、私達がいるから!」
水瀬伊織
「そうね」
萩原雪歩
僕は二人のそのやり取りを見終えてから…
萩原雪歩
挨拶代わりに敬礼をして、背を向けて走り出した
水瀬伊織
「まったく…いってきますくらい言いなさいよ…」
水瀬伊織
「可愛くないんだからっ…」
萩原雪歩
「あの…大尉…」
水瀬伊織
「ユキホ、どうかしたの?」
萩原雪歩
「ラビット少尉の眼ってあんなに赤かったかな…?」
水瀬伊織
「そういえばそうね…」
水瀬伊織
「あの眼…どこかで見たことがある気がする…」

(台詞数: 50)