萩原雪歩
...今の私達はあの夏の記憶よりも遠くて、切ない・・・
萩原雪歩
...だって私は、無菌病室で寝ているPを、ガラス越しに見ることしかできない・・・
萩原雪歩
...今の私なら、あの夏とは違い、ちゃんとあなた(P)に触れることができるのに・・・
萩原雪歩
...なのに・・・触れることすらもできない
萩原雪歩
...ガラスの無機質な冷たさが、あの夏に記憶された微熱すらをも奪い去って・・・
萩原雪歩
...私の手は冷え切っている
萩原雪歩
...目の前にいるはずなのに・・・
萩原雪歩
...そんなPが、なんだか、とっても遠くに感じますぅ・・・
萩原雪歩
...一つの空間の中にいるはずなのに、私達は遮断された別々の空間にいて・・・
萩原雪歩
...まるで・・・Pがあの日から写真の中に囚われてしまったようにすら感じますぅ・・・
萩原雪歩
...そう、私の発言のせいで・・・
菊地真
雪歩、あの日の事、まだ気にしてるの?
萩原雪歩
・・・
菊地真
気にしてるんだね・・・
萩原雪歩
私のせいです・・・私があの日、写真を撮りたいなんて言わなければ・・・
菊地真
写真を撮ったら魂が抜かれるなんて、あんなのただの迷信だよ、雪歩!
菊地真
それにさ、ボク達はほら!ピンピンなんだから!
萩原雪歩
でも、Pは違いますぅ!!
萩原雪歩
Pは・・・今にも・・・今にも!
菊地真
それとこれとは別だよ、雪歩!
菊地真
自分を責めたところでこの状況はなにも変わらないよ
菊地真
それにPだってそんな雪歩は見たくないはずだよ
菊地真
無理矢理理由を見つけて、自分を責めて苦しんでる雪歩なんて・・・
菊地真
Pは見たくないはずだよ
菊地真
それに...
菊地真
それに...ボクだってそんな雪歩を見たくないんだからね!
萩原雪歩
真ちゃん・・・
菊地真
言ったよね
菊地真
ボクは雪歩に幸せになって欲しいって
萩原雪歩
...そう言って、優しく、そして切なそうに微笑んでくれた真ちゃんを見たら
萩原雪歩
...色んな想いが溢れ出してきて・・・
萩原雪歩
...涙が止まらない
萩原雪歩
私・・・私・・・
菊地真
おいで、雪歩
萩原雪歩
...泣きながら真ちゃんに飛びついた私を、真ちゃんはそのまま受け入れてくれました
萩原雪歩
...私は真ちゃんの胸を借りて、泣きじゃくって・・・
菊地真
そうだよね、辛いよね、雪歩
萩原雪歩
ううっ...ひくっ、ひくっ...私...そんなつもりじゃ...ごめんなさい...ううっ.
菊地真
いいんだよ、雪歩
菊地真
辛いなら、いっぱい泣いて良いんだよ
菊地真
ボクが全部受け止めてあげるから、だから泣いていいよ
菊地真
大丈夫、プロデューサーは絶対目覚めるから
菊地真
ボク達のところに帰ってきてくれるから
菊地真
だから、雪歩、約束して
菊地真
プロデューサーが目覚めたら...
菊地真
ボクの前で泣いた分、プロデューサーの前では笑顔でいるって・・・
菊地真
そう、約束してくれないかな?
(台詞数: 47)