萩原雪歩
血が出てますぅ!!!
秋月律子
P...赤く染まる俺の手のひらとは対照的に、雪歩の顔は真っ青になっていた
秋月律子
P...雪歩の悲鳴にも近い声を聞いた律子は、俺の元へすぐさま駆けつける
秋月律子
もう、どうしたんですか、P殿!とりあえずこれを鼻にあててください!!
秋月律子
P...律子はポケットティッシュを取り出すと、俺の鼻に当ててくれた
秋月律子
P「わ、悪いな、律子・・・」
秋月律子
P「それに雪歩にも、変なもの見せてしまったな」
萩原雪歩
いえ、私はいいんですけど・・・その大丈夫ですか?
秋月律子
P「ああ、きっと最近の暑さに対応しきれなくて鼻が弱っているのかもしれないな」
秋月律子
P「今日のはたまたまだろう、久しぶりに鼻血なんて出たよ、あははは」
秋月律子
P...変に心配をかけないように、適当な言葉を並べ立ててみる
秋月律子
なら、いいんですけど・・・体調が悪いんだったら、今日は休んでもいいんですよ?
秋月律子
P「いや、休むほどのことじゃないさ!それに、この通り俺は元気だからな!」
秋月律子
P...ティッシュを鼻に詰めたまま、空元気なりにも胸を張ってみる、なんとも無様な姿だろう
秋月律子
P...律子はそんな俺を見て、「その様子じゃ大丈夫のようですね」と微笑んでくれた
四条貴音
貴方様!
秋月律子
P...貴音と目が合う
秋月律子
P「貴音、どうかしたか?」
四条貴音
いえ・・・なにも・・・
秋月律子
P...貴音はそう言い含めると、一瞬視線を床に落とす
秋月律子
P...数秒間、空白の時間、その後視線を戻した貴音ともう一度目があった
四条貴音
あなた様、あまり、無理をなさらないように・・・
秋月律子
P「ああ、わかってる!ありがとう、貴音」
秋月律子
P...きっと貴音には、咄嗟に吐いた嘘のことなどお見通しなのだろう
秋月律子
P...全てが見透かされている
秋月律子
P...はじまりは去年の冬頃からだった、冬頃から、ちょくちょく鼻血は出ていた
秋月律子
P...きっと仕事の疲れが症状となって出ているのだろうと割り切っている、俺がいた
秋月律子
P...それが最近、ついに頻繁に鼻血が出るようになった
秋月律子
P...ただ、皆と一緒にいる時、仕事をしている時に、この症状が出た事はなかった
秋月律子
P...だから仕事に支障をきたすようなことはない、と安心しきっていた部分もある
秋月律子
P...ただ今日は、雪歩にとっても、765Pにとっても大事な日だから・・・
秋月律子
P...プロデューサーとして、傍にいてやりたい、立ち会ってあげたいという気持ちが強かった
秋月律子
P...そういうのも全て引っ括めて、彼女に見透かされている気がした
秋月律子
P「貴音、雪歩との仕事が終わってから、ラーメンでも食べにいかないか?」
四条貴音
らぁめん!よろしいのですか?
秋月律子
P「ああ、勿論、雪歩も一緒にどうだ?」
萩原雪歩
はい!私も行きたいですぅ!!
四条貴音
ええ、是非、人数は多い方が食事は盛り上がりますから、ふふふ♪
秋月律子
P「それじゃあ、そろそろ雪歩と仕事があるから、行ってくるな」
秋月律子
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秋月律子
P...暑い・・・そして身体も重い、まるで着衣水泳でもしてる気分だ・・・
秋月律子
P...遠くに見えるアスファルトに陽があたって蜃気楼が出来ているようだ
秋月律子
P...風景が歪んで見える
秋月律子
P「雪歩、まだ六月に入ったばかりだっていうのに、もう蜃気楼が出来てるんだな」
萩原雪歩
えっ?そんなもの、見えないですけど・・・それに今日はいつもに比べて涼しいですよ?
秋月律子
P...何気に放った一言が、肯定されずに否定をされて、俺と雪歩の間に温度差を感じた
秋月律子
P「嘘だろ?だって、ほらあそこ・・・」
秋月律子
P...ゆらり、身体が揺れたのか、それとも景色が揺れたのか、一瞬の出来事を理解できない
萩原雪歩
プロデューサー!?プロデューサーっ!!!・・・た、大変っ!!!私、どうしたら・・・
秋月律子
____暗転した
(台詞数: 50)