菊地真
たまには歩いて帰るのも悪くないね
萩原雪歩
そうだね、あったかくなってきたし
萩原雪歩
夕日も綺麗…
菊地真
……夕焼けってさ、色んな気持ちが混じったような、そんな色してる時ってない?
萩原雪歩
真ちゃん?
菊地真
あは、ごめんごめん。ちょっとね
萩原雪歩
…どんな時に、そんな色に見えちゃうの?
菊地真
え? ああ
菊地真
うーん、怖さとか、不安とか、そういう気持ちの時かな
萩原雪歩
それが、夕焼けの色?
菊地真
夕焼けって、その日終わりって感じだと思うんだ。夜は、なんとなく、ずっと続く、終わりのない
菊地真
不安に押しつぶされそうになる時間っていうか
萩原雪歩
うん
菊地真
僕、夜って少し苦手でさ。その日嫌な時があった時はとことん落ち込んじゃうんだ
萩原雪歩
私も、そういうことあるかも。暗いからなのかもしれない
菊地真
そうそう。大抵寝ちゃえば忘れちゃうんだけどさ
菊地真
でも、寝るまでは、布団に入っても眠れなくて、そのままつぶれちゃいそうになって
菊地真
それを誰かに頼るのも、怖かったりするんだ、夜は
萩原雪歩
………
菊地真
…あー、ごめんね! 急にこんなこと!せっかく夕日も綺麗なんだし、綺麗な気持ちで帰りたいよね
萩原雪歩
真ちゃん
菊地真
なに?
萩原雪歩
今の私や、みんなのことは、信じられる?
菊地真
信じられるよ。ずっと前から、今もずっと
萩原雪歩
真ちゃんって、自分で解決しようとするじゃない? 私はそれがすこし寂しいかな
萩原雪歩
信じられる人がいるなら、きっと、ううん、絶対、頼ってもいいと思うの
菊地真
雪歩…
萩原雪歩
私はね、夕日は、明日の幸せのために、こんなに綺麗なんだと思うな
萩原雪歩
雨の日は見えないから不安になるかもしれないけど
萩原雪歩
絶対お日様はあるから
菊地真
へへ、雪歩は詩的だね
萩原雪歩
そんなことないよ
菊地真
そうだよね、お日様か
菊地真
…今の僕のお日様は雪歩だね
萩原雪歩
ま、真ちゃん!
菊地真
へへ、ありがとね、雪歩
萩原雪歩
ううん、言いたいことを言っただけだから
菊地真
…よーし、帰ろうか、雪歩
菊地真
早く帰らなきゃ暗くなっちゃうや
萩原雪歩
夜はもう怖くない?
菊地真
…うん。もし、怖くなったら、メールしてもいい?
萩原雪歩
いいよ、眠たくなるまでお話ししよう?
菊地真
うん
萩原雪歩
ふふ
(台詞数: 44)