天海春香
(MANZAIグランプリ準決勝……)
天海春香
(私達は「漫才 タイガーマスク」で勝負をした。)
天海春香
(私と千早ちゃんがとにかくボケ倒して、伊織がビシバシとツッこんでいく)
天海春香
(私達が、この大会で確立してきたスタイルを存分に活かしたネタ……。)
天海春香
(3人とも、このスタイルがビシッとハマって、舞台上ではのびのびと漫才ができた)
天海春香
(とにかく楽しかった)
天海春香
(私が何を言っても、どんなテンポで投げても、きちんと返してくれる伊織)
天海春香
(間髪入れずに、強烈な印象を与えていく千早ちゃん)
天海春香
(どんどん言葉が出てきて止まらなかった……)
天海春香
(こんなにも楽しい漫才、初めて!って思ったのに)
天海春香
(……私達は、準決勝で敗退した……)
天海春香
……
如月千早
その………。結果はここで終わってしまったけれども
如月千早
私達は、プロの芸人さん相手に、よくやったんじゃないかしら?
水瀬伊織
……
水瀬伊織
……ねえ春香
水瀬伊織
なんであんなアドリブ入れたの!なんで練習通りやらなかったの!
天海春香
!!っ……伊織。
水瀬伊織
何よ、手乗りタイガーって!他にもいろいろあったわよね!?
水瀬伊織
決勝進出!全国区テレビ出演がかかった大事な時に、どうしてそんなことするの!
如月千早
水瀬さん!その言い方はないんじゃないかしら!確かに台本通りじゃ、なかったわ
如月千早
でもそれは練習の中で、その場の空気で変えていくこともあるって、想定していた範囲内のこと
如月千早
春香は、決して無理な振りをしたわけじゃないでしょ?現に水瀬さんはきちんと返せてたじゃない
如月千早
それに、全国区、テレビ出演って……。……春香がどんな想いでこの大会に参加したのかなんて
水瀬伊織
何よ!千早は、春香が春香がってそればっかり!そうやって自分じゃなくて他人に背負わせて
如月千早
違う!……私はただ、春香の想いに共感して……同じ想いで……。
水瀬伊織
一種の責任転嫁ね!とにかく私達にとって、いや765プロにとって決勝で全国区に映るってのは
水瀬伊織
仕事を全国区にするチャンスだったの! そんな大事な時に、なんで勝手な事したのか聞いてるの!
天海春香
……ごめんね伊織。……ごめんね千早ちゃん。
如月千早
春香……。
天海春香
ねぇ伊織……。ひとつ聞いていいかな?
天海春香
伊織は今日、この漫才の舞台。楽しかった?
水瀬伊織
……そりゃもちろんよ!楽しんでなきゃあんなテンポに着いてけないわ
天海春香
……そう。……千早ちゃんは?
如月千早
私も、楽しかったわ。今までと違って、凄く自然にできた気がするの。
水瀬伊織
だ、だからなんなのよ!
天海春香
あのね……私もすっっっごく楽しかったんだ!
天海春香
伊織のツッコミに負けないように、もっともっと面白いこと言わなくちゃーって
天海春香
そしたら、伊織はそれを何倍にもして返してくれて、 千早ちゃんもどんどんテンポアップして……
天海春香
……でも、終わったあと気が付いたの
天海春香
あれ?私、お客さんの顔、見てなかったなーって
天海春香
笑い声は確かに聞こえてた けど、それだけ。どのくらいのお客さんがいて、どんな顔してたのか
天海春香
私……2人との漫才が楽しすぎて、夢中になっちゃって、お客さんに届けよーって気持ち忘れてた
天海春香
スマイル→ステージの矢印の意味、忘れるほど楽しんじゃった……。だから……ごめんね
水瀬伊織
……それはわたしも同じね。ただ、悔しかったのを春香のせいにしただけね。ごめんなさい、春香。
如月千早
私も分かってたつもりで何もできなかった。さっきは声を荒らげて、ごめんなさい水瀬さん。
水瀬伊織
ま、つまり、3人とも本気だったけどちょっと矢印の向きがずれてたってことね。
水瀬伊織
それじゃまあ、プロの芸人相手には勝てないわよね。…でも、それがわかると余計に悔しいわ!
天海春香
だから……二人にはお願いがあるの!
天海春香
敗者復活戦……出させてもらえるようプロデューサーさんに、一緒にお願いしに行って欲しいの!
(台詞数: 50)