北沢志保
着いたわ、ここよ。
高坂海美
牢屋に連れて来てどうするのよ、勿体ぶらないでさっさと処刑したら?
北沢志保
違うわ。あなた達の命は保証するって約束したでしょう。
高坂海美
それで監獄に入れて、ここで一生暮らせってわけ?
北沢志保
いいえ、そうじゃないわ。あなたには…
北沢志保
ここの囚人達の看守をしてもらう。脱獄しないよう、しっかり見張りなさい。
高坂海美
ふざけないで。誰がそんな事やるもんか!
北沢志保
そう、なら仕方ないわね、見張る人間がいない以上、こいつらはまとめて殺すしかないか。
高坂海美
なっ!?
北沢志保
余計な部署までは手を回せないの、だからってニンゲンをそのままにはしておけないでしょう?
北沢志保
ここの連中にはようく言っておくわ。誰かさんのせいであなた達が死ぬ事になったってね。
高坂海美
くっ…わ、分かった。やるよ、やれば手をださないんでしょう?
北沢志保
あら、礼儀を知らないのね。別にこっちは無理してやってもらう必要はないのよ?
高坂海美
ぐっ。お、お願いします。ここの看守をやらせて下さい…
北沢志保
…あーっはっは!愉快だわ、あのマイティーセーラーが私みたいな雑魚怪人に頭を下げるだなんて。
北沢志保
いいわ、しっかり見張りなさい。あ、それと…
北沢志保
万一脱獄者が見つかったら、その時は他の監獄にいるニンゲンを殺すから。いいわね?
高坂海美
お、おのれ…
北沢志保
ふふ。さあいらっしゃい、新しい看守を囚人共に紹介してあげましょう?
北沢志保
起きなさい、囚人共。エサの前に言っておく事があるわ。
高槻やよい
え、なんですか…あ!
高槻やよい
そ、そんな。まさか…
高坂海美
…
北沢志保
ふふ。紹介するわ、自分たちの命惜しさにデストルドーに降伏したマイティーセーラーよ。
高槻やよい
えっ…
高坂海美
ち、違う!私達はそんなつもりであんた達に降伏したわけじゃ…
北沢志保
黙れ!
高坂海美
ぐふっ!
北沢志保
今日からあなた達の面倒はコイツが見るわ。逃げたり逆らったりしたら、彼女に殺されるわよ?
高坂海美
…皆、私をまともに見ようともしない。まあ当然か。
高槻やよい
…あのう。本当にマイティーセーラーさんなんですか?
高坂海美
…元、ね。今はデストルドーに降伏した惨めなヒーローだよ。
高槻やよい
そんな…私、信じてたのに。きっと、マイティーセーラーが助けてくれるって。
高坂海美
ごめんね。でも、もう私には何も出来ないから。
高槻やよい
…気にしないで下さい。私が勝手に信じてただけなんですから。でも。
高槻やよい
どうして、こんな目にあわなきゃいけないんだろ。私、何か悪いことしちゃったのかな…
高坂海美
…
高坂海美
……どうしてよ。
高坂海美
どうして!どうしてよ、私は世界を守りたかった。最後まで戦いたかった!
高坂海美
なのに。なのにどうして、こんな事に…
北沢志保
…それがあなたの罪だからよ。
高坂海美
罪?デストルドーと戦う事は、そんなに悪い事だったって言うの?
北沢志保
違うわ。あなたの罪は、私達に敗れた事。戦いながら勝てなかった事だわ。
北沢志保
戦って大切な物を守りたいのなら、何としても勝たなくてはいけなかった。そういう戦いだったわ。
北沢志保
なのにあなたは敗れた。なら、その償いをしてもらわなければならない。そうでしょう?
高坂海美
…
北沢志保
(無様だわ。どうやら、完全に心が折れたようね。)
北沢志保
(けどね、マイティーセーラー。言わなかったけど、あなたはもう一つ、重大な罪を犯しているの)
北沢志保
(そう。償いなんて思い付かないほど、大きな罪をね。)
北沢志保
(いつか、それに気付く時がくる。その時あなたがどんな反応をするのか…楽しみにしてるわね?)
(台詞数: 50)