高槻やよい
『たっだいまー!』
高槻やよい
『っと、靴直さないとな…またうるさく言われるし。』
高槻やよい
ーそう呟いて、オレは脱ぎ捨てた靴を正して茶の間に向かう。ー
高槻やよい
…すぅ…すぅ…
高槻やよい
『あれ?姉ちゃん帰ってたんだ。今日は仕事早かったのかな?』
高槻やよい
ー茶の間では買い物袋をそのままに、やよい姉ちゃんがうたた寝をしている。ー
高槻やよい
ー柱に寄りかかって、首をこくり、こくり、鹿おどしのように振って眠っている。ー
高槻やよい
『…そういや、最近仕事忙しいみたいだからなぁ。響姉ちゃん達とユニットも組んでるし。』
高槻やよい
『そんな中、母ちゃんと交代で毎日ご飯作ってるんだよなぁ…』
高槻やよい
ーそんな事を思うと、姉ちゃんって改めて凄いなって思う。ー
高槻やよい
ー家の事とアイドルの仕事、両方を当たり前にやってて、自分の事は後回し。ー
高槻やよい
ーその上で、オレ達をいつも気遣ってて…ー
高槻やよい
ー怒るとウザいし、オレよりも漢字が書けない、バカな姉ちゃん。ー
高槻やよい
ーでも…ー
高槻やよい
ー誰よりもオレ達の事を考えてくれてる姉ちゃん。ー
高槻やよい
ー…本当に…。ー
高槻やよい
ーバカすぎるぐらいに真っ直ぐすぎる姉ちゃん。ー
高槻かすみ
たっだいまー!今日のおやつは…
高槻やよい
『かすみっ!声大きい!!』
高槻やよい
ーまだ眠っている姉ちゃんを指差して、帰ってきたばかりの妹を黙らせる。ー
高槻かすみ
…あっ…!
高槻かすみ
お姉ちゃん、いたんだ?でも…。
高槻やよい
『そうだって!いつも姉ちゃん頑張ってるから、静かにな!』
高槻かすみ
へ〜ぇ、長介のくせに、たまには良い事言うね?
高槻やよい
『たまに、は余計だっての!』
高槻かすみ
ひゃっ!
高槻やよい
ーここで普段ならかすみの頭を叩く所だが、傍らの買い物袋を見て寸止めする。ー
高槻かすみ
…?
高槻やよい
『…かすみ、ちょっと手伝え。拒否権はねーぞ?』
高槻やよい
ーオレはもやしと特売品の詰まった買い物袋を持って台所に向かう。ー
高槻かすみ
なるほどね…りょーかいっ!
高槻やよい
…すぅ…すぅ…
高槻やよい
…あっ!いけないっ!!すっかり寝ちゃってたぁ!?
高槻やよい
…あれ?
高槻やよい
…なんか…すっごく良い匂い…!
(台詞数: 35)