高槻やよい
………
高槻やよい
………何も、感じない
高槻やよい
まるで心が無くなったかのようだ
高槻やよい
流し続けていた涙も、既に枯れた
高槻やよい
伊織ちゃん……みんな……!
高槻やよい
たった一つ、私の心にあるもの
高槻やよい
それは、後悔
高槻やよい
守りたいものを守れなかった後悔
高槻やよい
むしろ守られるだけで、何も出来なかった後悔
高槻やよい
……どうして、私なの?
高槻やよい
あの時、私が先に行動していれば………。
高槻やよい
伊織ちゃんが私の機体に攻撃し、コックピットを放り投げた時
高槻やよい
私はただただ驚いていた
高槻やよい
まさか、伊織ちゃんも同じ事を考えていたなんて………。
高槻やよい
あのままでは2人とも助からないと思った私は、強引にでも伊織ちゃんを逃がそうとした
高槻やよい
しかし、伊織ちゃんの方が行動が早かった
高槻やよい
私は不意をつかれ、何も出来ず、されるがままだった
高槻やよい
どうやら、伊織ちゃんはずっと前からこうする気だったようだ
高槻やよい
コックピット内に、「やよいへ」と書かれた袋があった
高槻やよい
中身は非常食と手紙
高槻やよい
手紙の内容は、普段伊織ちゃんが言わないような内容だった
高槻やよい
私への感謝や励まし、そして私に「生きてほしい」という願い
高槻やよい
伊織ちゃん……私はっ!
高槻やよい
私は、みんなを守りたかった
高槻やよい
そのためなら、自分が犠牲になっても構わなかった
高槻やよい
計画の最中、「事故」によって私は私だけの特別な「力」を手に入れた
高槻やよい
代償はあったものの、それは圧倒的な力だった
高槻やよい
私は代償など構わず、力を使って戦い続けた
高槻やよい
私の身が滅びようと、みんなを守れるならそれでよかったから
高槻やよい
………なのに
高槻やよい
結果、私だけが助かり、他のみんなはいなくなった
高槻やよい
自分の事など、どうでもよかったのに
高槻やよい
ただ、みんなを守りたかっただけなのに
高槻やよい
どうして私は何も守れないの?
高槻やよい
どうして……私は守られてばかりなの?
高槻やよい
どうして……!
高槻やよい
?:おい!コックピットブロックが見つかったぞ!
高槻やよい
?:生体反応がある…生存者だ!
高槻やよい
?:一応救護班を呼べ!俺たちは早くこいつを開く!
高槻やよい
………外が騒がしい
高槻やよい
どうやら、本当に私だけが助かってしまったようだ
高槻やよい
「あなたは生きて。やよい。」
高槻やよい
「あなたが生きてくれる事が、私の願いなの。」
高槻やよい
手紙の最後の文章を思い出す
高槻やよい
私が生きることが伊織ちゃんの願いなら、私はそれに従う義務がある
高槻やよい
伊織ちゃん。私は………生きるよ。
高槻やよい
今度こそ、誰かを守れるように………!
(台詞数: 47)