水瀬伊織
……古代エジプト、クレオパトラ女王の時代の話よ。
水瀬伊織
ある時期、ローマ帝国の将軍・アントニウスがエジプトの領地に遠征していてね、
水瀬伊織
ローマ帝国軍は夜な夜な、派手な宴会をしていたそうよ。
高槻やよい
ひょく分からないですけど、「えんせー」って家族旅行みふぁいなものですよね?
高槻やよい
普通にしひぇてもお金が掛かるのに、なんでそんな無駄遣いするんでしょうか?
水瀬伊織
……戦争になるかもしれない状況だからね。見ず知らずの土地でやる気を保つには贅沢も必要よ。
水瀬伊織
それに、ローマ帝国の自分たちが、エジプトに軽く見られてはいけないという対抗心もあるし。
高槻やよい
でもでみょ、クレオパトラさん、お客さんが派手に遊んでて嫌じゃなかったのかなあ、伊織ひゃん?
水瀬伊織
もちろん、クレオパトラのほうもエジプトを軽んじられるわけにいかないわ。
水瀬伊織
ある日、将軍アントニウスを呼びつけて、こう言ったそうよ。
水瀬伊織
『私は一夜の食事で一千万セステルティウスを費やしてみせる。』……とね。
高槻やよい
にゃんだかよく分からないけど、すごいお話みたいでしゅ。
水瀬伊織
次の夜、アントニウス達を招いたクレオパトラの宴会は……
水瀬伊織
次の夜、アントニウス達を招いたクレオパトラの宴会は……さほど贅沢なものではなかったの。
高槻やよい
クレオパトラしゃん、嘘をついたんでしゅか?
水瀬伊織
アントニウスは、クレオパトラが約束を守れなかったから、負けを認めろと言ったわ。
水瀬伊織
……クレオパトラは静かに笑って、御付きの者にお酢の入ったグラスを持って来させたの。
高槻やよい
クレオパトラさん、それを鼻から飲んで謝ったんでひょうか!?
水瀬伊織
気高き女王を、そんな猫型ロボットに頼ってる落ちこぼれと一緒にしないでよ。
水瀬伊織
クレオパトラは、自分の耳につけていた真珠のイヤリングを外して……
水瀬伊織
その真珠を、お酢に溶かして一口で飲み干してしまったの。
水瀬伊織
伝説では、それは世界最大の真珠で、国一つと交換できたそうよ。
水瀬伊織
……もう一方のイヤリングも溶かそうとして、あわててローマ人が降参して謝ったそうよ。
高槻やよい
ふえぇ。女王しゃまって、大変なお仕事でしゅね。
水瀬伊織
ちょっと前、私の真珠のネックレスが切れちゃってね。なんとなく思い出した話よ。
高槻やよい
伊織ひゃんも、大変だっひゃんだね。
水瀬伊織
……やよい?今日はなんだか、いつもに増して舌っ足らずな話し方じゃない?
高槻やよい
あ、ごみぇんね伊織ひゃん。さっきから飴ちゃん舐めてたんだ……
高槻やよい
ポケットの中にあったけど、夕方から舐めてるよ?伊織ひゃん家に遊びに行ったとき貰ったかなあ?
水瀬伊織
……それって、白くてツヤツヤしてなかった?
高槻やよい
最近の飴ちゃんふぁ、小粒も長持ちしてお得かにゃ〜って。
(台詞数: 31)