高山紗代子
ソフトバンク優勝に水を差すことになるけど
高山紗代子
今回は「野球害毒論」についてお話しましょう
高槻やよい
なんだか、題名だけで怖いんですけど……
高山紗代子
日本に野球が伝えられたのは1871年、日本の大学野球の歴史と同じなの
高槻やよい
今も大学野球は人気ですよね!プロになった人もたくさんいます!
高山紗代子
だけど1911年に東京朝日新聞(現・朝日新聞東京)が「野球と其害毒」という記事を掲載したの
高山紗代子
いわば、野球に対するネガティブ・キャンペーンね
高槻やよい
なんでそんな記事を掲載したんですか?
高山紗代子
野球は国民に愛されるスポーツになったし、野球をやりたい人も増えたわ
高山紗代子
だけどその盛り上がりと同時に、野球人気を問題視する声も上がってきたのよ
高山紗代子
早慶戦では観客がヒートアップしすぎて、学校に脅迫状が届くし……
高山紗代子
プレーをしている選手もちやほやされたいあまりに留年しちゃって
高山紗代子
大学の先生よりも年上の生徒が出てくる始末……
高槻やよい
周りに迷惑をかけちゃいけませんよ……
高山紗代子
いきすぎた応援行為が問題視されたのは早慶以外の学校でも起きていて
高山紗代子
野球禁止を掲げた学校も多かったそうよ
高槻やよい
野球人気の裏にそんな問題があったなんて知りませんでした
高山紗代子
他にもライバルである大阪毎日新聞(現・毎日新聞大阪)が東京進出を果たしたことから
高山紗代子
東京朝日新聞が自身の存在をアピールする方法として野球を利用した、という話もあるわね
高槻やよい
どんな内容の記事だったんですか?
高山紗代子
野球反対派の著名人との談話や、全国の中学校(現在の高校)校長へのアンケートなどよ
高山紗代子
有名どころでいうと、第一高校(現・東京大学教育学部、千葉大学医学部・薬学部)の校長で
高山紗代子
旧5000円札の肖像画でお馴染みの新渡戸稲造!
高槻やよい
あの人が!?
高山紗代子
「野球は巾着切り(スリ)の遊び。常に相手を騙そう、計略にハメようと神経を尖らせる」
高槻やよい
酷いこと言いますね……
高山紗代子
府立一中(現・都立日比谷高校)の校長だった川田正澂(まさずみ)は
高山紗代子
野球の弊害四カ条として、こうまとめているわ
高山紗代子
1:学生の大切な時間を浪費させる
高山紗代子
2:疲れさせて勉強意欲を無くさせる
高山紗代子
3:慰労会の名目で遊び呆けている
高山紗代子
4:右手で投げて右手で打つため右手ばかりが発達する、つまり体育としても不適切
高槻やよい
1~3はどのスポーツにも言えることだとは思いますけど……
高山紗代子
他にも「手の甲に強い衝撃を受けるため、その衝撃が脳に伝わり脳の作用を鈍くする」なんて話も
高槻やよい
医学的な根拠はあるんですかね……?
高槻やよい
そんなキャンペーンをしたら、野球の人気は落ちたんじゃないですか?
高山紗代子
いいえ、人気は衰えなかったわ!
高山紗代子
東京日日新聞(現・毎日新聞東京)や読売新聞が野球害毒論に真っ向対立!
高山紗代子
社会主義者の安部磯雄や作家の押川春浪などが野球擁護に熱弁をふるったわ!
高山紗代子
また、大阪朝日新聞は擁護側には回らなかったけど、キャンペーン終了後に
高山紗代子
全国中等学校野球大会(現・全国高等学校野球選手権大会)を開催しているわ!
高槻やよい
同じ朝日新聞でも、野球に対する姿勢が全然違うんですね!
高山紗代子
結局、東京朝日新聞の宣伝に使われただけの「野球害毒論」だったけど
高山紗代子
野球人気について賛否両論があったのは事実よ
高槻やよい
ルールを守って、正しく応援していれば問題ないですよね?
高山紗代子
その気持ちが大事かもね!
高山紗代子
では、今回はここまでにしましょう
(台詞数: 47)