木下ひなた
……よし、今日はこの畝に、ナスビの苗を植えようかねえ。あとは水遣りして、草をむしって……
高槻やよい
ひなたお姉ちゃん!?また土いじり?暇なら、組手の相手をしてほしいかなぁーて。
木下ひなた
やよいちゃん。いいところに来たべさ。一緒に、苗箱を運んでほしいんよ。
高槻やよい
えぅ~。ひなたお姉ちゃんは今、左将軍なんだよ。次の戦いに備えて、合戦の予習しなくていいの?
木下ひなた
今は戦いは無いんよ。こんな時は、農業するに限るべさ。ほら、その豆の木も大きくなったんよ。
高槻やよい
ええ!これが豆なの?豆からは、もやしが出来るんじゃないの?
木下ひなた
お日さんが届かないところで水をあげれば、もやしになるんよ。畑に植えれば、こう育つべさ。
高槻やよい
すごいです。あ、ナスビの株は、ナスビ色なんですね。トウモロコシも、トウモロコシ色なのかな?
木下ひなた
育ててみると、分かるんだわ。今度苗を買ってくるわ。
高槻やよい
うっうー!楽しみかも~。
高坂海美
ただいま。ひなた姉上は、いつも畑にいるわね。外にいる分は、健康的だけど……
木下ひなた
お帰りなさいだわ。今日はどこの山を、とれいる・らんにんぐしてきたんだい?
高坂海美
今日は山じゃなくて、川でスイミングしてきたんだ。次は城壁でボルダリングしようかな……
高坂海美
じゃなくて!ひなた姉上、一体どうしたの?私達は、漢王室を復興させるんじゃなかったの?
高坂海美
苦しむ人々を救うため、あえて戦う道を選んだんじゃなかったの?
高坂海美
私の運動神経は、暇潰しのスポーツ三昧のためにあるんじゃない。大義のために生かしたい……
木下ひなた
……海美、聞いてほしいんよ。美希さんが自分の都に私達を留めているのはね……
木下ひなた
私達の才覚や、何より野心を図るため。ここで何をしているか、見られてるんよ。
高槻やよい
えぇー!そうなんですか。てっきり、ご馳走してくれるためだと思ってたのに。
高坂海美
やよい、あなたは少しは他人を疑う頭を働かせなさい……
木下ひなた
だから美希さんに、私はつまんない人間と思わせねえと。対抗できる力を持つ日までは。
高坂海美
ひなた姉上……そこまで深いお考えだとは、私気づきませんでした。
木下ひなた
……と、最初は思ってたんだけどねえ。この耕作生活、充実してて楽しいんだわ。
木下ひなた
爺サマも婆サマも、元気にやっとるんかなあ。教えてもらった畑仕事が、今役に立ってるよ。
高坂海美
ひなた姉上!しっかりしてください!気概まで失ってどうするの。
高槻やよい
あのあの、海美お姉ちゃん。とりあえずお昼ですし、ひなたお姉ちゃんの野菜を食べましょう!
高坂海美
話の腰を折らないでよ……ってこれは、枝豆?
高槻やよい
はい!大豆を若いうちに収穫すると、枝豆になるそうです。
高坂海美
……良質なタンパク質。ひなた姉上、畑仕事をすると、こんないいものが手に入るの?
木下ひなた
枝豆も取れるし、大豆まで育てて保管しとけば、年中豆腐や味噌が食べれるわあ。
高坂海美
ひなた姉上。私、農業にもチャレンジしたい。私の筋肉を、農作物で育てたい。
木下ひなた
それじゃあ美希さんに掛け合って、もっと広い庭をもらわんといけないねぇ。今度頼んでみるわ。
木下ひなた
……その後、兵ではなく農地が欲しいと訴えた私達は、野心無しとみなされて……
木下ひなた
美希さんにもらった土地で、「ひなたぼれ」というお米や、野菜を育てて日々を送ってるんだわ。
木下ひなた
何か忘れとる気もするけど、私達姉妹は、いま幸せなんだぁ。
(台詞数: 35)