高木社長
(うむ…気が重い…実に気が重い。)
高木社長
(彼が…プロデューサーが期間限定で企画したミリオンカフェ。その業績は極めて好調だ。)
高木社長
(売り上げは右肩上がり。ファンは大喜びで、カフェとしての評価も高い。)
高木社長
(それ故に…彼女たちにカフェの閉店を告げるのが非常に辛い。)
高木社長
(いや、元々期間限定で始めた企画だ。その期間が終わっただけのこと。)
高木社長
(彼女たちはカフェの店員じゃない。アイドルなんだ。その辺りははっきりさせねばならない。)
高木社長
……よし、行くとしようじゃないか!
高木社長
(カランコロン)やあ君達。失礼するよ。
北沢志保
いらっしゃいませ…あ、社長。お疲れ様です。
高木社長
うむ。北沢君、ご苦労。
北沢志保
お席までご案内致します。こちらへどうぞ。
高木社長
いやいや、私は責任者であってお客ではないからね。お客の席に座るわけには…。
北沢志保
いえ、入り口から来られた以上、誰であっても大切なお客様です。
高木社長
(裏口から入れば良かった。)
北沢志保
さあ、こちらです。ご注文がお決まりになりましたらお呼びください。
高木社長
いや、その、待ってくれ。
北沢志保
いかが致しました?
高木社長
そうだな…二階堂君は今はいないのかね?
北沢志保
千鶴さんは今、取引先との会議中です。
高木社長
取引先…?
北沢志保
今度このカフェとコラボしたいという企業がいまして、そのための打ち合わせ中です。
高木社長
(このカフェについては二階堂君と彼に任せていたからな…まさかそんなことになっているとは。)
高木社長
それでは、天海君はいるかね?
北沢志保
天海さんですか?……ああ、なるほど。少々お待ちください。
高木社長
頼むよ。……なるほど?
天海春香
お待たせしました、社長。
高木社長
おお天海君、待っていたよ。実は話があって……。
高木社長
ん?そのティーポットとクッキーは何かね?
天海春香
今日は社長に、美味しいクッキーとコーヒーをご馳走しますね。
高木社長
いやいや!私は結構だよ!今日は大事な話があってだね!
天海春香
まあまあ、そう言わずに1杯だけどうですか?社長もお疲れでしょうし。
高木社長
うーむ…まあ、1杯だけならいいか。いただくとするよ。
高木社長
……っ!?な、何だこのコーヒーは…事務所で音無君が淹れてくれる物と全然違う!
天海春香
わかります?ちょっと豆の種類や挽き方に拘ってみたんです。
北沢志保
春香さんはバリスタの資格も持っていますからね。
高木社長
ば、バリスタだって!?いつの間に!?
天海春香
えへへ…お客様にもっと美味しいコーヒーを楽しんでもらいたくて。
高木社長
で、では…このクッキーは……美味い!美味いぞ!
北沢志保
それは私が作ったクッキーです。
高木社長
北沢君が!?
天海春香
志保ちゃんも、最近お菓子作り教室に通い始めたんだよね。
北沢志保
はい。フロアのお仕事だけでなく、キッチンの方でも役に立ちたくて。
高木社長
(無理だ…ここまでカフェに身を捧げている彼女たちに閉店を告げる?できるわけがない!)
天海春香
それで、どうですか?満足していただけましたか?
高木社長
あ、ああ…美味しかったよ。満ち足りた気分だ。
高木社長
おっと、もうこんな時間か。そろそろ事務所に戻るとしよう。
北沢志保
ありがとうございました。またのご来店をお待ちしております。
天海春香
……やったね!社長、すごく喜んでくれて!
北沢志保
はい。やはり、美味しいと評判の天海さんのコーヒーが飲みたくて来たんですね。
北沢志保
(それにしても…話がどうとか言っていたような…まあいいか。)
(台詞数: 50)