高木社長
これは私が黒井と袂を分かつ前の話____
高木社長
当時、私達の間には、アイドルに示す道について差異を覚え始めていた
高木社長
着実に、そして徐々に、摩擦をしていた
高木社長
しかし彼も中々熱い男でね、私も彼に魅入られている所もあったんだろうな・・・
高木社長
彼の考えは、示す道は、確かに正しいものだった
高木社長
いや、正しすぎるが故に、誰もが盲信して、気付きはしないものだった
高木社長
一人の少女を追い込んで
高木社長
壊しかけてしまうまでは・・・
高木社長
私は彼に言えなかった
高木社長
いや、何を言えばいいのかわからなかったのかもしれない
高木社長
割り切れなかった私がいた
高木社長
何故なら、彼は正しいからだ
高木社長
どこかで、正しいと思ってしまう私がいた
高木社長
そして一人の少女の夢を、悪夢に変えてしまったことを後悔した
高木社長
あの日、歳不相応なのにも関わらず、私は何処かの公園のブランコに揺られていた
高木社長
同時に私の信念も、考えも揺らいでいた
高木社長
その時だった、一人の少女が私のもとへと寄ってきたんだ
高木社長
そして言った
天海春香
「おじさんはどうしてそんなにかなしそうな顔をしているの?」
高木社長
「いや・・・それは・・・」
高木社長
「君のような女の子の夢を、壊してしまったんだ・・・」
高木社長
そんな残酷な答えを・・・
高木社長
首を傾げながら、無邪気にそう聞いてくる少女に、私は答えてやることなどできなかった
高木社長
代わりに少女は微笑んだ、そしてまた、口を開く
天海春香
「おじさん、わたしがお歌をうたってあげる、だから笑って!!」
高木社長
少女は歌を歌ってくれた
高木社長
それは、とても上手であったと、お世辞でも褒めてやることはできないが
高木社長
だが、楽しそうに歌う少女に、私は心を打たれた、不思議と何かが込み上げてきた
高木社長
アイドルとは本来、この少女のように、歌を心の底から楽しめないといけないのかもしれないな
高木社長
ティンときたのだ
天海春香
「あっ、わらってくれた!!」
高木社長
「ありがとう、おじさん、元気になれたよ」
高木社長
「君は本当に歌が好きなんだね」
天海春香
「うん!!わたしお歌が大好きなの!!」
天海春香
「それでね、しょうらいはアイドルになって、たくさんお歌をうたうんだよ」
高木社長
「そうか、ならばおじさんは、君のひとり目のファンのようだね」
天海春香
「ほんと!?うれしいな~!!えへへ♪」
高木社長
「君なら素晴らしいアイドルになれる、おじさんが保証しようじゃないか」
高木社長
そうだ、アイドルとは本来こうあるべきなのだ
高木社長
この初めて抱いた動機、気持ちを守ってやるのが我々の使命ではないだろうか・・・
高木社長
その日、私は黒井と話し合いをした
高木社長
そして袂を分かつこととなったのだが・・・
高木社長
___________
天海春香
高木社長、クッキー焼いてきたので、どうですか?
高木社長
ああ、天海君、わざわざすまないな、是非頂こう!
高木社長
天海君はもう立派なトップアイドルじゃないか、私も嬉しい限りだ!
天海春香
ありがとうございます!これも社長が拾ってくれたお陰です!
天海春香
でも、どうして私なんかを765Pに入れてくれたんですか?
高木社長
それは____
高木社長
それは、ティンときたから
(台詞数: 50)