菊地真
ゴールッ!へへっ、やーりぃ。またボクの勝ちっと。
高坂海美
あーもう。今日こそはまこっちゃんに勝てると思ったのになあ。
菊地真
へへっ、海美もまだまだだね。修行が足りないよ!なんちゃって。
高坂海美
あはは、そっかあ。じゃ、もっと鍛えて今度こそまこっちゃんより先にゴールしなきゃ…
高坂海美
…ん?
菊地真
どうしたの。
高坂海美
ううん、何でもない。
高坂海美
…いや、なんだろ。何か忘れてるような気がするんだよね。ここまで出かかってるんだけど。
菊地真
そろそろバイトの時間だってのは、忘れてたりしないよね?
高坂海美
それだっ!ごめんまこっちゃん、じゃあまた明日ね!
高坂海美
(高校生活は毎日が楽しい。幼馴染のまこっちゃん以外の友達も沢山出来た。)
高坂海美
(すごくいいバイト先も見つかったし。それにまあ、気になる人も出来たりなんかして。)
高坂海美
(ほんと、毎日が最高。楽しくて面白くて仕方がないってカンジ!)
高坂海美
(なんだけど…)
高坂海美
(なんだろう、どこか、引っかかる。どうしてこんな気持ちになるのかな?)
二階堂千鶴
…ふうん。あなたくらいの年頃にはよくある話ですわね。
高坂海美
そうなの?
二階堂千鶴
ええ、恥ずかしながらわたくしにも覚えがありますわ。
二階堂千鶴
ここにいるのは本当の自分じゃない、これは本当の世界じゃないって。
高坂海美
本当の、世界…
二階堂千鶴
ま、もう少しすれば分かりますわよ。それがいわゆる中二病だったって事にね。
高坂海美
ええっ、私が中二病!?似合わないな~、そういうの。
二階堂千鶴
誰もが通る道ですわよ、悩んでも仕方ありませんわ。さ、それよりそろそろ着替えてらっしゃい?
高坂海美
あ、はーい。よし、じゃあ今日も一日頑張って働くか!
高坂海美
(中二病、かあ。百合子みたいな子ならともかく、私がそんなのになるなんて。)
高坂海美
(でも。本当に、そうなのかな?なんか、それで片付けちゃいけないような気がする…)
高坂海美
(あー、いいや。そんな事より今はバイトに集中しよ!)
二階堂千鶴
…
二階堂千鶴
始まりましたわね。さて、あなたはいつ気が付くかしら?
二階堂千鶴
ゆっくり見物させてもらいますわ。もっとも、そんな時間はあまり無いかもしれませんけどね?
高坂海美
(続く。)
(台詞数: 31)